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【寝取られ】自分の彼女が自分以外の人にされたHな話【体験談】

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81:ヒロシ[sage]:2013/05/10(金) 05:31:12.15 ID:DnVdmJkp0

マドカとは、仲が良いときは本当に仲が良かったんだ。

同じ市内に別々にアパートを借りてはいたものの、ウマくいっている時は同棲も同然だった。

ただ、合鍵を渡したり、お互いの部屋に私物や生活用具が置きっ放しになっているような状態にはしてなかった。

親しき仲にも礼儀ありってやつだ。それに車で5分も走れば行き来できる距離だったので特に不自由は感じてなかった。月に2回くらいは休みを合わせて一緒に過ごす。

その日はその一緒に取った休みってやつで、前日の夜から一緒に過ごし、

特にどこかに出掛ける予定も組んでいなかったので1日中ゴロゴロしてた。

膝枕で耳掃除をしてもらうという、そんな至福の時を過ごしつつマドカに質問をする。「お客さんに…耳掃除してあげたこと…ある?」

「え? それって、どっちのお客さんって意味?」

マドカは美容師で、今現在も「客商売」なのだ。

そう言われて考えてみれば、美容室や理容室って、店舗によっては耳掃除のサービスを実施してる場合もある。



「デリのほうの…客…」

「うーん…」

彼女はデリ嬢時代のことを思い出すとき、遠い目をする。




俺はその表情がなぜか好きだったし、どんなことを思い出してるんだろうって想像すると、

胸が張り裂けそうなくらいにドキドキするものがあった。

マドカは、時々俺が我慢できなくなって聞いてしまうデリ嬢時代に関する質問に対して、

答えることを嫌がってはいなかった、と思う。むしろ積極的に答えることすらもあった。

そもそもイヤなことはイヤってハッキリ言える性格なので、本当にイヤなら質問は却下されてもおかしくない。「したことないねぇ」

「あ、そうなんだ」

なんだか少し安心した。

エ口サービスは勿論いやだけど、こんな風に恋人っぽく客と過ごしていたとすれば、それはそれで嫌なんだ。 でも知りたくないようなことでも、俺は知っておきたいのだ。

そういう矛盾を、俺は心に抱えていた。あるいは、その矛盾に心を蝕まれつつあったのだろう。

そして、俺がそういう矛盾を心に抱えて色々葛藤していることをマドカはきっと見抜いていた。

だから俺が知りたいことに素直に答えてくれるのは、マドカなりの優しさであり、

ある意味、謝罪だったのかもしれないとも思う。「時間は限られてるからね。そもそも綿棒とか、なかったし」

「そっかぁ」

「あ、綿棒はあったかも。ラブホの洗面所って、けっこうそういう備品揃ってるよね」

「あーそういえばあるねぇ」

マドカの口から「ラブホ」っていう単語が出てきて、ちょっとだけ胸が苦しくなる。

俺自身はこれまで一度も、マドカとラブホに行ったことがなかったから…。「一番長いコース頼むお客さんって、どのくらいだったの?」

「時間? んっとね、最高で12時間って人がいたwww」

「は?半日?」

「笑っちゃうよね。え?12時間ですか?本当ですか?って3回くらい聞き直したよw」

「ちょっと、それ料金いくら?」

「えー。あんま覚えてないな。ロングになるほど割引率高かったんだよなぁ確か…」別に金額なんてどうでもよかった。12時間ものあいだ密室で客と2人きりかよ…って凹んでた。

「18万くらい? 20万までいかなかった気がするw」

金額なんてどうでもよかったはずの俺でもさすがに唖然とした。金って、あるところにはあるんだな…。 「その12時間のうち、プレイ時間って…どのくらいなの…?」

恐ろしく不安な気持ち。でも聞かずにはいられない。すぐに違う言葉で聞き直した。

「つか…何回…イかせてあげ…た…の…?」

さすがにコレは聞いても良い話題なのかどうか、果たして聞くべき事だったのか、質問したあとになって少し後悔した。

語尾は消え入りそうになってたし、ちょっと泣き入ってたかもしれない。

「な・い・しょ・w」

俺の不安な気持ちと、だがしかし、それを上回ってしまう知りたいって気持ちを、

マドカは理解した上であえて茶化してくれたのだと俺は思う。

重苦しい質問に対して、重苦しい答え方になったら、お通夜みたいな2人になってしまう。

マドカが冗談っぽく茶化してくれたおかげで、適度に全身の力が抜けた気がする。「イジワルすんなーw そんな言い方されたらますます俺が知りたがるってわかってるだろーw」

「うふふwww」

マドカは片方の耳掃除を終えて、今度は反対の耳ね、って感じで俺を誘導しながら微笑んでた。話している内容はエグいが、ポカポカ陽気の午後で、マッタリとした雰囲気もあった。

俺は体を反対向きに入れ替え、再び膝枕をしてもらう。チ○コが勃ってた。

「教えてくれないの?」

「大人しくしてないと、綿棒、奥まで突っ込むぞ」

「怖い…」

俺は図体こそデカいけど、普段の生活においてはマドカに結構イジメられたり、イジられたり。

尻に敷かれてた方が気楽だったし、そのぶん思い切り甘えられるという利点もある。「そういうのって、本気で知りたいの?それとも単なる興味本位?」

「え、うーんと。正直言うと、本当は知りたくないのかも」

耳掃除をするマドカの手が止まって、俺の話の続きを待っているような感じだった。

「でも知らないままでいるのも辛いんだよ、なんか仕事中もイライラしたり…」

「そっかぁ…ごめんね…」

謝られるのも本当は辛い。そしてマドカのほうが辛いってこともちゃんと理解はしてた。「でもね、私がヒロシの立場なら、やっぱり根掘り葉掘り聞いちゃうと思うなぁ」

「でしょでしょ?」

「でも、知りたいって思う理由が微妙に違うかも」

「え?どういうこと?」

「私なら、そんな女とこの先もずっと一緒に過ごしていけるのかどうか、その判断材料に使うかなぁ」マドカのそのセリフは、どこか寂しげで、憂いを帯びていたように思う。

俺は何も言ってあげることが出来なくて、マドカが吹っ切れたように逆に明るい声で話し出す。

「私、聞かれて困るようなことないし、ヒロシが本当に聞きたいならなんでも話すよ?」世の中には知らない方が幸せ、ってことがたくさんあると思う。

でも、マドカに関して、他の男が知っているのに、俺が知らないことがあるということ。

俺はただそれだけで不幸なんだ。そんなことを一生懸命伝えた気がする。

「わかった。じゃ正直に話すよ。耳掃除終わってからでいいよね」

彼女はそう言うと、再び綿棒を動かし始める。ちょっとイジワルな感じで痛かった(ノД`)「はーい、おしまーい」そう言ってマドカは、フーって俺の耳元に息を吹きかけた。

俺は時々彼女に子供みたいに扱われることがあって、でもそんな時のマドカはすごく優しい感じがした。

それは包容力っていうやつなのか、そんなところもデリ嬢として人気が出た理由の一つだったのかもしれない。

元々生まれながらに持っていた資質なのか、それとも色々と苦労を背負った結果身に付いたものなのか。

そのどちらなのかはわからなかったけれど、一緒に居るとすごく安らぎを与えてくれたのは間違いない。飲み物とお菓子なんかを準備して、場合によっては険悪な雰囲気をもたらす

これからの話題に備えた。2人とも努めて明るく振舞っていたような気もする。「ってゆうか、私のデリ時代の話を聞きたがるときのヒロシって、ちょっと興奮気味だよね?w」

「え?w あ、うんw バレてたかw ごめん…」 「耳掃除してるときも、ちん○ん勃ってたでしょw」

「・・・すいませんwww (まだ勃起中です)」

「ま、人それぞれ、色々な性癖があるからねぇ…」色々な性癖、マドカのその言葉に俺は更にチ○コを硬くしてしまった気がした。

確かに彼女は色々な男たちの色々な性癖を目にしてきたに違いない。

勿論、それは目で見る程度、だけのことじゃない。

その手で、その体で、性癖を受け止め、男達の性欲を解消する役割を担ってきたのだ。勿論俺だって、大学時代を含め、こうやって再会した今でも、マドカをそういう目で見るときがある。

俺はマドカの彼氏だから特別な存在、なんてことはなく、俺もマドカに欲望をぶつけてきた男達の一人なのだ。「で、どうする?私が勝手に話す?それともヒロシが質問して私が答える?」

飲み物をちょっとだけ口にした彼女が本題に戻す。どうやら話題をうやむやにするつもりはないようだ。

「ちょっと待って。あのさ…本当は話したくないなら、別にいいんだよ言わなくても」

「ペラペラ話すようなことじゃないけど、だいじょうぶだよ」

マドカが無理してないか見極めようと、その本心がどこにあるのかを探ろうと、俺は集中する。

「それに、色々と知ってもらって、その上でヒロシにはもう一度選ぶ権利があると思うし…」そういうことか。そうだ、彼女は「判断材料」だなんてそんな言葉をさっき口にしてた。

要するに、全部打ち明けた上で受け入れてもらえないようなら、この先はないって思ってる。

彼女がデリ時代の話を隠さずに話してくれるのは、そういうところに本心があるのだ。「べ、別に俺、色々聞いても、それを判断材料にしようとかそういうつもりはな…」

「わかってる。でも、きっと、この先もずっとずぅううっと気になることだと思うんだよ」

マドカはわかってる。俺なんかよりも、その過去をずっと気にしてる。「ヒロシはもうギリギリなんだよ。私がデリしてたってことに関して。ギリギリのとこで精神の均衡を保ってる」

彼女は真っ直ぐに俺の目を見つめながら話を続ける。

「見ててわかるもん。ちょっと興奮しちゃうところなんか、もう末期だよねw 末期www」

ちょうどいいタイミングで茶化してくれる。これも彼女なりの気遣いなんだろう。

でもギリギリなのはきっとマドカも一緒だったと思う。「じゃ、私が話すね。テキトーに。聞きたいことがあればその都度答えるから、質問して」

「う、うん。わかった…」ああ、ついにこの時が来てしまった。

俺はネットカフェで、デリ嬢としてのマドカを検索して、ある程度把握したつもりではいた。

でも、直接本人の口からそれを語られるのは、重みが違いすぎる。手のひらが汗で凄いことになってた。それ以上に、パンツの中で我慢汁がひどいことになっていた。「とは言っても、何から話せばいいんだかw」

困ったように笑う彼女は、とても綺麗な気がした。

大学生だった頃よりも体重はさらに落ち、美容師としての自覚がそうさせたのか、お洒落さんになった気がする。

大学時代はお互いジャージで過ごしてるような感じだったが、今では俺の服装のダサさを指摘してくる程だ。「まず誤解を解いておこう。ヒロシは自分が風俗使ったことないから、わからないことのほうが多いよね」

それはある。俺は自分が客になったことがないからすべてが想像や妄想で、それがイライラする原因の一つだ。「例えばさ、3時間コースを選んだお客さんがいるとします」「はい」

「その3時間、ずっとエッチなことをしっぱなしなんだろうって不安に思ってるよね?」「(´;ω;`)ウン」

「ハッキリ言ってそれは誤解なんだぞ?」

彼女は俺をなぐさめるように優しい言い方をしてくれた。

「え? ほんとに? 違うんですか?」まるで先生と出来の悪い生徒みたいで、これはこれで萌えてきた。「あくまでも私個人の経験上の話ね。他の女の子はどうなのか知らないし」「うん」

「それにこれは、デリ、の話で、お客さんがお店に通うタイプの店舗型ヘルスだと違うかもしれない」「はぁ」

なんか風俗に詳しい彼女ってのも、趣があって宜しいかと…_| ̄|○「だいたい2時間以上のコースから、ロングコースって呼んでたんだけど」「うん」

「ロングを頼むお客さんって、お金にも、心にも、余裕があるんだよ」「へー」

「だから、ガツガツしてないの。遊び方がスマートな感じ」「よくわからん」

「簡単に言うと、プレイ以外の時間が長い。喋ったりしてる時間が長いってこと」「むむ」

「場合によっては、カラオケしたり、ルームサービスで食事したり、お酒飲んだり」「そうなんだ」

「旅行に行ってお土産持ってきてくれたり、その旅行の話ばかりで終わったりする人もいた」「なんか安心したw」デリヘルって、楽しみ方はそれぞれなんだな。店に行くんじゃなくて、ホテルに呼ぶってのは、自由度が高いってことか。「安心させておいて、突き落とすけど、例外なお客さんも勿論いるからね」「あい…」

「ロング頼めばプレイ時間も長いんだろ、色々エ口エ口だろ、的なお客さんのことね」「・゜・(ノД`)・゜・」

「さらにどん底に突き落とすけど、短いコースを頼むお客さんほど、エ口い」「・・・。」

「短い時間内ギリギリまで粘るというか、最後にシャワー浴び終わったあとでもう1回って言われたり」「・・・。」「何回でも求めていいの?」

「一応、店のプレイ内容の説明には、時間内発射無制限って書いてるから…」

「多い人で何回くらい?」

「50分コースで5回イった人がいたw」

「うわぁwww」笑い事じゃないよね…。この時も2人で一緒に笑ったあと、( ゚д゚)ハッ!ってなった。「2~3時間のロングコースを頼む客層は、平均1.5回するって感じかな」「うん」

「のんびりしてたら2回するのは時間的に無理です、みたいな」「うんうん」

「でもどうしても2回したい!って場合は、延長してくれたりとか」「あの…」「ん?」

「さっきから頻繁に出てくる、する、とか、したい、ってのは…その…本番のこと…?」

「ん?まぁいいから今は黙って私の話を聞いてなさい」「は、はい…」なんだかマドカが饒舌になってきて、俺は借りてきた猫みたいにおとなしくなった。

ちょっぴり悔しい気がしたけど、マドカの話は風俗童貞の俺には新鮮で面白かったかもしれない。「ちなみに延長すると、料金は割高になる。そういう意味でもお金にも心にも余裕があるお客さんってこと」「なるほど」

「一応ここでも言っておくけど、例外もいるからね。都合の良いことばかり話すつもりはないし」「あい…」「それってつまり、ロングコースでいっぱい発射して帰った客もいるってことね…」

「そう。でも、お客さんは勝手に自動でイったりしないからね?わかる?」「うん…」

「この際だからハッキリ言うけど、それは私が頑張ってイかせたってことだからね?」「・・・。」都合の良いことばかり話すつもりはないってのは、楽な仕事じゃなかったって事。

勿論、楽なお客さんもいたけど、その逆のお客さんもいたんだよ、ってマドカは何回も強調してた。

彼女がそれを強調するのは、それが俺に一番苦しみを与えるってわかってるからこそ。

そういうことを聞いても、この先一緒にいられるのかどうか、きちんと選びなさいって、そういう意味だったんだろうな。それと、そういう話で俺が興奮するのを知った上でイジメてた気もする。Sなマドカの遊び心だ。「それと、発射ゼロで帰っちゃうお客さんも意外に多い」「まじ?」

「酔っ払った勢いで呼んだものの、アルコールのせいでちん○んが勃たないってことがよくある」「へー」

「あとはやっぱり、一緒にいるだけでいいって感じで遊びに来るお客さん」「うんうん」

「前者は一応プレイを頑張るけど、後者はプレイすらしなくて済む」「後者イイねえ、俺にとってもマドカにとっても」

「でも裸にはなるよ。何もしなくていいって言うお客さんでも必ず一緒にお風呂入りたがる」「・・・。」「俺も今日マドカと一緒にお風呂入りたい><」

なぜか急にそんなことを言いたくなる。

「いっつも一緒に入ってるじゃんかwww」そう言って彼女は笑ったけど、俺の心は穏やかじゃなかった。

俺は後者( ・∀・) イイネ!なんて言いつつも、酔っ払って勃起しないっていう前者のほうこそ気になる存在だった。

マドカが言ってた「前者は一応プレイを頑張る」ってのは、勃たないチ○コを勃たせるために頑張ったってことだ。射精って、そのほとんどは勃起してから起きる現象なわけで。そして客のほとんどは射精することが目的なわけで。勃起しなければ、おそらくほぼ、射精もしないのだろう。

マドカが言ってた発射ゼロで帰っちゃうお客さんってのは、そういうお客さんのはず。

これは一見、お金を払ったのにも関わらず射精しないまま帰ってしまった可哀想な客にも思える。でも俺の立場から言わせてもらえばそれは違う。逆に羨ましくて、憎たらしい客だ。

マドカは、根は真面目だし、責任感も強い。

お金のために割り切って働いてたと言ってはいたが、金に執着するぶん、金を払ってまで自分に

会いに来てくれたお客様を大切にしないわけがなかったと思うんだ。

だから彼女はなんとかして勃起させよう射精させようって、一生懸命プレイしたと思う。そう考えると、マドカはずっとチ○コを素直にしゃぶってたような気がして苦しくてたまんなかった。興奮したけど。 「ちなみのちなみに」

俺ではない男のチ○コをマドカがフ○ラしているシーンを妄想してた俺は、現実に引き戻された。

「聞いてる?私の話」

「き、き、聞いてたよ」

マドカのそのクチビルが気になる。普段、何気なくキスしたりしてたそのクチビルが。「ちなみのちなみにね、プレイしなくていいよーって言ってくれるそういうタイプのお客さんなんだけどさ」

なんだろう、ちょっとマドカが嬉しそうに話してる。

「私の場合、常連さんの中でもそういうお客さんが占める割合がすごく多かったと思うの」「へー」

「べつにヒロシを安心させるために言ってるわけじゃないよ?」「うん」確かにそうだろうと思う。

都合の良い話ばかりを話すつもりはないって断言したマドカが、俺を安心させようって理由で

「自分は癒し系だったから濃厚なプレイはあまりしませんでした」とか過去を捏造するわけもない。

まして自分自身の保身をはかりたいがためにそんな嘘をつくにしても、もう遅すぎる気もする。 それに俺は掲示板で見たんだ。

マドカに対するコメントはそのほとんどが好意的なものか、または、予約が取れねー、という嘆き。

そして、確かに「マドカちゃんに癒されました」的なコメントも多かったけど、

プレイもしっかりしてるという意見が大多数を占めていた。勿論、本番できたからそれが単純に満足、って意見もあっただろうけど。ネットカフェでオナヌーしたあと、その冷静になった頭で、デリ嬢としてのマドカを考えてみた。

その結果、彼女はお客さんの「心」も「身体」も癒すことができる稀有な存在だったのだと、俺は分析した。

この場合の「身体を癒す」ってのは、当然ながらエ口行為の意味だ。掲示板を読んでて、俺が最も興奮させられたのは、

最初は「下手」だと低評価されてたマドカのフ○ラが、時間が経つにつれて

『フ○ラ絶品』『上のお口のほうが俺は好きだw』などと高評価する書き込みが増えていった点だった…。

『くちま○こさいこー』だなんていう下品な書き込みですら、マドカに対する賛辞の言葉だって

ことが信じられなくて、俺は興奮と悔しさの狭間で悶えた。マドカと再会後、初めてセクロスしたあの時、

「フ○ラとか上手くなってたらごめんなwww」って彼女は冗談っぽく笑った。

実際上手だったけど、それが本当に意味するところはネットカフェで風俗掲示板を見て初めて知った。マドカにフ○ラしてもらった連中が騒いでいて、オマエら一体なんなんだよ、ってとりあえず思った。

俺だけが知っていればいいはずの事実を、そいつら全員が知ってて、しかも直接味わったことがあるんだ。

その時の俺のショックと興奮は、ちょっとなんて書いたらいいのかわからない。

でもチ○コはガチガチで、さっき1度オナヌーを終えたはずなのに、すぐにガチガチだったし。マドカはデリ嬢としてお客さんから求められるプレイは平均点以上の出来だったようだ。

いや、掲示板の評価を真に受ければ、かなりの高水準なプレーで客を満足させていたようにも思える。

とにかく、男達の心も癒し、その身体をも悦ばせる行為をきっちりこなしていたのは事実だろう。それでもプレーしなくていいよっていうお客さんが多かったと、マドカが言うのが不思議だった。 「ま、他の女の子たちがどういうお客さんを抱えてたかは知りようもないんだけど…」「うん」

「でも、私のお客さんは絶対にまともなお客さんが多かった自信がある!」「なんだそれ」「ってか、他の女の子と顔を合わせる機会とかなかったの?」

「あったよ、女の子の待機所っていうのがあったし」

「そういう場で、あの客はこうだったああだった、とかそんな話にならないの?」

「うーん…他の女の子達はそういう話をしてたんだとは思う」

「マドカは?しなかったの?」

「私…ほとんど予約で埋まってたから、待機所に戻る暇なかった。なんかごめんなさい」

「え?ああ、うん。人気だったんだね…。」

「そうだったのかも…」デリ嬢だった過去を告白した当初は、自分はあんまり人気なかったよって謙遜してたはず。

でもこの時は、自分が人気デリ嬢だったということをマドカは否定はしなかった。「で、質問はなんだっけ?」 「あ、えーと…」

聞きたいことは多いけど、聞く順番を間違えると大変なことになりそう。

なるべく小さいダメージで済みそうなものから消化していくべきか。

それとも最初にデカいダメージ喰らって、細かいことなど気にならない境地に達するべきか。それにマドカは、たぶん、俺がここまで質問した内容をちゃんと覚えてる。

その質問に答えるということが俺にダメージを与えることをわかった上で、

もう一度俺に心の準備をさせようと、質問はなんなのか?と忘れたフリして問いかけているような気がした。「んっとね、12時間コースの人は何回だったのか、って質問と」

「うん」

「その、何回した、とか、したい、とか。その中身が…本番…だったのか…って質問…」だめだ。俺はどうしても「本番」って言葉を口にするとき動揺が隠せない。

普段使い慣れていない単語ってこともあるけど、その言葉の意味するところが嫌すぎる。俺の心の揺らぎをいち早く察知したかのように、マドカが言葉をかぶせてくる。

「あのね、いつでも誰とでも、本番してたわけじゃないからね」「うん…」

「ま、回数の問題じゃなくて、していたという事、それ自体が問題なんだろうけど」「はい」

「それに、本番だけじゃなく、他の行為だってヒロシに聞かせるような話ではないはずだもんね」マドカは淡々と語る。けっこうドライだ。

俺が本当に聞きたがるならば、それに答える覚悟はすでに出来ている。「本当に聞きたい?ヒロシ大丈夫?」

「大丈夫じゃない気がするけど、なぜか勃起してる…」

「なんなんだろね、それw」

「わからんw」

「今…エッチしちゃう?」

「え?」マドカの方からそんな風に誘ってくるのは、ハッキリ言って珍しかった。

いや、もしかすると初めてだったかもしれない。それなのにこのタイミングでなぜ?「色々聞いちゃったら、ヒロシはもう私となんかするの嫌になるかも…」ああ、マドカは俺よりもずっと先のことまで考えているんだな、って思った。

過去のことを寝掘り葉掘り聞いてみたいような聞かないほうがいいような、なんて迷ってる俺。

過去に関してちゃんと答える覚悟があって、問題はそのあとだって見定めているマドカ。

なんだか俺だけ前に進めなくなってしまうような気がして、慌ててマドカを追いかける。「いや、全部聞く。全部聞いた上でエッチする」それ聞いてマドカは苦笑いしてたけど、俺は大真面目だった。ようやく覚悟ができた。マドカはクローゼットを開けて、奥の方に体を突っ込んでた。

荷物を出したり、出てきた荷物をまた元に戻したり、しばらくそんなことをやってた。

そして、ノートを5,6冊持って戻ってきた。テーブルの上に重ねられたそれらは、一般的な大学ノートってやつより、一回り小さかった。

B5サイズってやつかもしれない。表紙にタイトルがあるわけでもなく、質素な感じだ。「なにそれ?」

「はぁ…。 緊張してきた…」

ここまで俺なんかよりもずっと平静を保ってきていたマドカの、大きなため息とその言葉。

「自分で見返すとも思ってなかったし、まさか他人に見せる時が来るとは思いもしなかったなぁ」

「そのノート何?」

「このノートでお客さんの管理をしてた…」思わず手を伸ばした俺の手をマドカが払い除け、「キャー」って悲鳴を上げた。

「まだだめ、まだだめ、心の準備が出来てないっ。待って待って」

マドカもそれほど屈強なハートの持ち主ではなかった。だがそれでいい。

本来は見られたくないものであるならば、淡々と見せられるよりも、2人でドキドキを共有したかった。「ちょっと待ってね」

マドカは大袈裟なくらいに深呼吸を繰り返し、数秒目を閉じて、その目が再び開いた時には凛としてた。「これね、本当に色々書いてあるの」「うん」

「本当は、パソコンで顧客管理ソフトとか使おうかとも思ってたんだけど」「うん」

「全て終わった時に、思いっきり盛大に燃やしてやろうとか思って手書きにしたw」「うんw」「じゃ、今日燃やそうか、一緒に」

「え…。う、うん」

マドカが嬉しそうに微笑んで、同意する。

「全部読み尽くしてからね」って付け足したらスゲー嫌そうな顔してたけど。長丁場で(´・ω・)スマソ 書きたいこと多すぎる「ちょっと心の準備しながら、もう少し話してもよい?」「うん」

俺はノートの中身が気になって気になって、もう勃起しまくりだったけど、

このノートの存在が明るみになってしまった以上、マドカももう後には退けないだろう。

彼女のデリ嬢時代の全てが白日の下にさらされるのはもう時間の問題。「さっきのさ、ヒロシの質問に答える形になるけど、12時間で何回?ってやつ」「うん」

「その人はさ、心にもお金にも余裕があるお客さんの典型で」「ほぉ」

「12時間のうち、8時間くらい寝てた。ま、一緒に添い寝って感じだけど」「まじ?」

「残り4時間でしょ?12時間もいればゴハンも食べるじゃん?」「まぁね」

「それでだいたい1時間。んでカラオケ2時間くらい。そしたらもう残り1時間だよね」「だね」

「その1時間は、最初と最後に、お風呂30分ずつ。以上が12時間の中身」「・・・。」

「え?プレイは?」「してない」「発射ゼロ?」「ゼロ…」

「ってゆうか、12時間はさすがにその時だけだったけど、いつでも何もしないんだ、その人」「しかもさ、お風呂で体洗ってあげるじゃん?」「洗ってあげないといけないのか?」

「ま、一応仕事だし、洗わないままでプレイとか無理だし」「そだね」

「その人さ、普通にお風呂入るみたいに自分で体洗って、自分でシャンプーしてさ、私の仕事がない」20万近く払って、それだけ? しかもマドカの体に触れもしないらしかった。

常連さんだったらしいが、ある意味本当の変態なのか…。金持ちの考えることはよくわからん。「嘘っぽいけど、本当の話」

マドカはそう言って、12時間で何回したの?っていう俺の質問に対する答えを結んだ。「信じられない?嘘ついてると思う?」「うーん…」

「ってことで、このノートが役に立つわけだよ」「あ…」

「探そうと思えば、このノートにその12時間のことが書いてある」「なるほど」「それともうひとつの質問のほうだけど、1回するとか2回したいとか、それが本番だったかとか」やっぱりマドカは俺の質問内容を事細かく覚えてた。

あの時点で、このノートを俺に見せるっていう前提が、すでにマドカの心の中にあったんだとここで気付く。「私もそれがどういうプレイだったかなんて覚えてるわけないw」「そかw」

「ってことで、それもこのノートに書いてある」「え? 回数とか? 何でイカせたかとか?」

「うん…」「マジかー。なにそれー。すげぇ。うぉおおおお!」マドカはそこですごく不安そうな表情をしてたけど、俺はなんだか浮かれていた。

彼女がデリヘルをやっていたというショックより、その全てを知ることが出来るという期待が上回った。「なに嬉しそうにしてるの…」「いや、全然うれしく、なんか、ない」

「あのさ、最初に言っておくけど、すごく生々しいよ?マジで」「生々しいのか…(;゚д゚)ゴクリ…」

「エッチな意味ばかりじゃなくて!金額とか、そういうのもリアルに書いてある!の!」 マドカが少しだけ、声を荒げた。そして俺も正気に戻る。

マドカの言う金額ってのは、コース料金ではなく、別料金のことだろう。

本番するのに、別料金をもらってたって言ってた。

それはネットの掲示板でも、実際に払った奴らが書いていた。

それがいくらなのかは暗黙の了解なのか誰も言及してなかったけど。ちょっとだけ反省した、興奮のあまり自分を見失うところだった。

「マドカ、これ見るか見ないかは、やっぱりマドカに任せるよ、俺」

「え、なんで? いや、そういうことなら2人で決めようよ。2人で!」

「俺は見たいw」

「即答かよw」「でも、俺、思った。そんなにリアルに細かく生々しく書いてあるならば」「うん」

「俺の受けるショックも相当デカいと思う」「・・・。」

「でも、それを見て、見られて、嫌なことや辛いことをマドカも思い出すと思うんだ」「だろうね」ってことで、あまりシーンと真剣に見るのはやめて、ワイワイ騒ぐ感じで見ようと、2人で決めた。

(そのノートを触るのはマドカ本人だけ。俺は一切勝手に触らない。ページをめくるのもマドカのみ。)

そんなルールを予め決めて、どっちかが精神的に耐えられなくなったら、もう全部燃やそうとも決めた。



けっこう2人とも、限界ギリギリなとこまで来てたと思う。あらゆる意味で。マドカが1冊目のノートを手に取る。

よくよく見れば、表紙に『①』ってだけ小さく書いてあった。

マドカが1ページ目を開くと、ドデカい文字で『目標金額○円!』って書いてあった。

ああ、リアルな金額って稼がなければいけない目標金額とか、そういうことかって一瞬思った。「金額ってこれのこと?」

「あはw 違うけど。ある意味これが一番見られたくなかったかもw ページ開くまで忘れてたw」それは思っていたほど大きな金額ではないようにも思えた。

まぁ何のためにお金が必要だったのかとか、それまで聞いたこともなかったし、聞けなかった。「意外と目標金額が少ない… ちょっと安心した気もする…」

「そう? 世間知らずの大学生だった私には気が遠くなる金額だったけどな」確かに、社会人となった今と、大学生だった頃では、その金額に対する価値観は変わるかもしれない。「それにローンを組むって話じゃないし、時間は限られていたからさー」「そっか」

あまり深入りすべきところじゃない。もう終わったことなのだから。今はとりあえず次ページが見たい。「ぶはっw」まどかがいきなり吹いた。

「これ見て、私いきなり弱音吐いてるんだけど」マドカが指差したのは、1ページ目の下の方にあった数行。

ドデカく書かれていた目標金額とは対照的な小さく薄い文字が並んでた。『面接および初仕事完了…いきなり今日からだなんて思ってなかった…』

『恥ずかしかった…ちょっと続けられそうにない…自信がない…』

『とりあえず優しいお客さんで助かった…』なんかリアルだった。

マドカが言ってたプレイ内容とかが皆無で、それが逆にリアルすぎた。「入店初日の私は、こんな感じでしたw」マドカは笑ってたけど、俺には急にプレッシャーが襲ってきた。「次、いくよ? だいじょうぶ?」 「うん…」最初の方は俺にとっては特に問題はなかったように思う。

もちろんマドカは恥ずかしがってたけど、それがやけに可愛くも思えた。まだまだ顧客管理ノートと呼べるほどの体を成してはいなくて、書式もバラバラ。

日付、時刻、お客さんの見た目の特徴、選んだコース。

それらに付け足されるように、マドカが一言添える感じだった。『忙しかった、ゴハン食べる暇がなかった』『ある意味これはダイエット』

『コスプレ無理』『寝そうだった』『何度もシャワー浴びすぎて乾燥肌』言ってみればそれは、日記みたいなもので、そこにはまだ俺の知りたいマドカの姿は無かった。

そりゃコスプレはその体格じゃ無理だろ、ってちょっと笑い合ったりもしてた。日付、時刻、客の特徴、選んだコースだけだった管理項目が、いくつか増えだした。

ホテル名、部屋番号、客の車のナンバー。

「携帯カメラ使ったり、覚えられることは全部覚えて帰ってきてたよ?」

そのへんの情報は店が管理するべきことのような気もしたが、自分で覚えて記録してる

あたりが根が真面目なマドカっぽいなって思った。そして、少しずつ生々しいコメントが載るようになる。

『アゴが痛い』『手で喜ぶお客さんが意外に多い』

『お○ぱいが役に立った』『初めて素股で喜んでもらえた』

『フ○ラはやっぱり苦手だ』『上に乗る素股、重くないのか不安』

『お○ぱいで喜ぶお客さんが増えてきた、微妙』「喜ぶ、って表現…、もしかしてイかせたってこと?」

「バレたか…(・ω<)テヘペロ  ごめんなさい…」「いや、まぁ、うん」

「お○ぱいで喜ぶって…もしかして…」「パイズリ」このあたりで、ノート1冊分がほとんど終わりに近づいてた。

そして、マドカが書くプレイ内容のメモに、変化が現れ始める。

それまでは自分の言葉で『時間ギリギリ、素股で喜んでもらえてよかった』などと文章で書いていた。

『喜んでもらえた』なんて遠まわしに書いてあったものが、『素股1』とか『フ○ラ1』なんて書くように。

それはやがて、『ス1』とか『フェ2』だとか『パ1』だなんて、簡略化されるようになった。

未完成の『正』の文字を使って数えていたこともあったが、数日間でまた『フェ2』とかに戻った。「ス、と、フェ、はわかるけど、パ、って何?」「パイズリ」俺は1冊目のノートを読み終えて、マドカがそれを閉じた時に言ってやったよ。「今日パイズリしてください…」「はい…」ちょっと俺は怒ってて、マドカはちょっと萎縮してた。

これじゃこの先が思いやられる、って感じは2人とも気付いていて、先にマドカが口を開いた。「怒ってる…よね?」「怒ってない」

「嘘だー」「怒ったってしかたがない。もう終わってしまったことで、過去は変えられない」

マドカがガックリと肩を落とした。女性にしては大きなその体が、本当に小さくなってた。「1冊目でこうなるなら、2冊目以降はもう見ないほうがいいと思う…」

気まずいなんてもんじゃなかった。

ポカポカ陽気のなかでマッタリとした空気が漂っていたその部屋は、暗雲が立ち込め始めてた。「なんで?」

「わかってるくせに…」

もちろん判ってた。1冊目のノートにはまだ書かれていないことがある。

マドカがいつからソレを始めるのかは知らないが、俺がソレを目にするのはそう遠くはなさそうだ。

2冊目以降は見ないほうがいい、ってマドカの言葉からもなんとなく察しがつく。マドカの様子を伺いつつ、ソレにはまだ、今は触れないでおこうと思う。

もう一つ気になっていたことがあったので、そっちのほうから問い質してみる。「あのさ、ちょっと気になったんだけど」「はい…」

「1冊目って、体験入店も含めて、たぶん2ヶ月くらいの中身だよね?」「うん…」

俺は最初のページと、最後のページの日付を何気なく目にしてて、それを覚えていたんだ。「2年くらいデリやってたって最初に聞いたんだけど、単純計算で、ノート12冊ないとおかしくないか?」

マドカはスゲー驚いた顔してて、俺はこれは地雷を踏んでしまったと思った。その時俺は、マドカが予めノートの中身を見返して自分に都合の悪いものが書いてある

ノートは既に処分した上で、目の前にある数冊を残したのではないかと、そう勘繰った。

でも、もしその予想が的中していたとしたら、マドカから次のような反応は返ってこないはずだった。「ヒロシ…頭良いね、鋭いっ!!!」

マドカはビシッと俺を指差して、カッコよくポーズを決めてた。俺はポカーンとしてたけど。

「あ、ごめん。空気読めって感じだよね…」「いや、だいじょぶw」正直助かった。重苦しかった雰囲気を一瞬だけ能天気になったマドカが打ち払ってくれた。

「どういうこと?説明求む」「わかった」マドカは1冊目のノートを再びめくり始めて、その手は中盤あたりで止まった。

そこは、罫線が引かれ始め顧客管理ノートとしての体裁を整え始めたあたりのページ。「こことか」「これとか」「こういうのとか」

マドカはページをめくりながら、『お客様の特徴』って書いてる欄を時々俺に指し示す。そこには『話しかけても無言 ×』『クサい…ワキガ? ×』『痛い ×』などと書いてあった。

時にはいきなり『×』のみ書いてあったり、デカい字で『ヘタクソっ!!! ×』とか辛辣だった。「ヘタクソってw」「笑いごとじゃないよ、それは私が痛かったって意味だぞ」

「あ、ごめん、ごめんな」「うん。それに本当に我慢できないときは、痛いです、ってちゃんと言うし」

やっぱり楽な仕事ではない。俺は理解不足であった自分を戒めた。「ヒロシはさ、たぶんこういうとこばかり見てたでしょ」

マドカがそう言って指差したところには『フェ1』って記入してあった。

「特に回数とか、そんなとこばっか見ちゃってさ。バーカ」図星である。

マドカがどうやってイカせたのか、何回イカせたのか、それは何分コースだったのか。

俺はそういうところを主に見ていた。悶々としながら。「そのうち『NG』ってのが出てくると思うんだけど」「うん」

マドカが最後の方までページをめくって、ようやくその単語が記入してあるページがあった。『とにかく無理 NG』「生理的に受け付けないって意味かなコレ?」「俺に聞かれてもwww」

「あはwww まぁ何かしらの理由で次回からNGに登録してもらってたんだよ」「登録?」

「受付する店の電話番号あるでしょ?まぁほとんど店が携帯で受けるんだけど」「うん」

「一度利用したお客さんの番号は全部登録されるの」「ふーん」

「で、私がNGでお願いしたお客さんは、電話帳の登録名を『○○さん(マドカNG)』にしておく」

「ソイツから電話が来て、またマドカを指名するような場合は予約で一杯ですってなるわけだ」

「そうそう。または、本日急遽お休みです、とか。理由はどうあれ、とにかく私は行かなくて済む」

「お客さんによっては複数の女の子がNGにしてたり、店自体がNGにして、着信拒否したりするわけ」なるほど理解。「ああ、ここにもあるね」

最後のページにもその単語はあった。『ヘタクソ、痛い NG』

痛いっていう文字は、なんだかすごく俺も心が痛かった。

でもそれと同時に、ちょっと別な疑問を俺に投げかけてくる。「あの…もしかして、ヘタクソじゃないお客さん…ってのもメモってたりする?」

遠まわしな表現をしたつもりだったけど、すぐにピンとくるものがあったらしい。

マドカは俺のほうは一切見ることなく、ノートに目を落としたまま静かにこう言った。「それは、2冊目のノートを見る覚悟があるなら、そのときにちゃんと正直に教える」俺達はフリダシに戻ってきた。

もちろん「見る」と答えたし、ノートを全部見ないまま燃やして処分してしまう

などという選択肢は、俺には最初からなかった。「じゃ、2人で一緒に見ようね」

別に喧嘩したつもりはなかったけど、マドカのその言葉に、仲直りしたかのような安堵を覚えた。

その安堵は決して長続きしなかったけども。「ちょっと飲み物持ってくる」

いつの間にか2人ともコップが空っぽになってた。

きっと緊張のために、喉が乾いてしかたなかったのかもしれない。

「1冊目のノートなら、もう俺が勝手に見てもいい?」

冷蔵庫に向かってたマドカが振り返って、一瞬の間を置いてから、「いいよ」と答えた。パラパラとページをめくりながら特定の項目をチェックする。

すると、60分コースの客と、90分コースの客が、ほぼ1回しかイってない。

120分以上のコースになるとさすがに2回って客がいたけど、それでも平均1.5回にも届いてない気がした。マドカが言っていた通り、発射ゼロのお客さんも確かにチラホラいた。

どうやら、まだ1冊目のノートの時点では、掲示板で絶賛されるほどの

高水準な仕事は出来ていなかったらしい。

それは俺をすごーく安心させたけど、マドカのコメントが

『もうちょっと頑張れた気がする』『なんか申し訳なかった』

とか書いてある日もあって、それが俺をムシャクシャさせた。マドカの話だと、短いコースを選ぶ客の方がエ口く、ロングのお客さんは逆に回数が少ない

ようなニュアンスのことを言っていた。俺はこのあたりも2冊目以降は注目しようと虎視眈々だった。お茶のペットボトルを片手に戻ってきたマドカが「ちん○んは?」って聞いてくる。

「ギンギン」って俺は答えて、マドカが割と真面目な表情で、

「2冊目のノートでちん○ん縮んじゃったらどうしよう…そんなのやだなぁ…」って不安そうに笑った。「パイズリしてもらうから大丈夫」「ずいぶんそれにこだわるねw」

「あたりめーだよ、オマエなぁ…」「ごめんなさい、ごめんなさい」

マドカが本当に怯えるようにして謝ってたので、俺はグッとこらえた。「あ、忘れてた。ノートが少ないんじゃないかっていう、その理由」「あ、そうだ」

「でも、薄々気付いてはいるよね?ヒロシ鋭かったし」「いやまったく」

何となく気付き始めてはいたが、マドカの言葉で言ってもらうことに意義がある。「だからさ、NGのお客さんが増えるわけだよ」「だよね」

「それと、最初の方の私は、出来るだけ早くお金稼いでやめたいって思ってたから」「うん」

「ある意味張り切り過ぎて、働きすぎていたのだ」「どのくらい?」

「生理のとき以外毎日…オープン~ラストみたいな」「まじか…」

「でもそれじゃ、体がもたないし、NGの客を増やしつつ」「うん」

「時間も夕方まで、とか、夕方から、とか、そういう出勤時間にしたら自然とちょうどよい感じになった」「そういうわけで、1冊目のペースでノートの冊数が増えたわけではない」「なるほど」ちょっと意地悪したくなって、俺は1冊目のノートをパラパラめくりながら言った。

「でもそれじゃ、収入が減るんじゃ? まぁ、別な収入が増えるってことだろうけど」

俺のその質問、というよりは自問自答に、マドカの表情がちょっとだけ歪んだ。

さっきまだ触れないでおこうと思った「本番」に関して、俺は我慢できずに言及した。マドカはコップをお茶で満たしたあとに、「ごめんね」って言った。

俺は罪悪感でいっぱいだった。ワザと意地悪な言い方をしたんだって正直に言って、俺も謝った。「でもね、本当にこれだけは信じて欲しいんだけど、ソレだけで稼いでたわけじゃないの」

「わかってるよ、マドカの魅力は俺が一番わかってる」「ありがと…」

「ま、デリ嬢としても魅力的だったってのは、俺としては嬉しくないんだけどな」「うん…わかってる」「あのね、私すごく色々なこと覚えて帰ってきてたじゃん?」「うん」ノートの『お客さんの特徴』って項目には、小さい字ですごく事細かく色々書いてあった。

その日何を話したのかその話題はもちろん、一緒に食べたもの、一緒に見たテレビ、

時には、お客さんの家族構成まで書いてあることも。『奥さんと子供在り』、『バツイチ』とか。マドカが言うには、稼ぐための一番の近道は、安心安全なお客さんにいかにリピートして

もらうかが勝負だったらしく、前回呼ばれた時にどんな話をしたかを覚えていたりすると、

客はその「自分のことを覚えていてくれた、忘れないでいてくれた」ってところをメチャクチャ喜ぶらしい。確かにそれって、嬉しいかもしれない。

自分は数多くいるであろう客の男達の中でも、もしかすると印象深い特別な存在だったのかも、

っていう優越感をくすぐられる仕様だ。

まぁ勘違いなわけだが。俺としては勘違いだと断言してやりたいし。「だから、私はこのノートを使って、どんなお客さんなのかを徹底的に管理したの」「うん」前もって予約が入った場合は、それがリピーターなら前回いつ呼ばれたのかをスタッフに聞けばわかる。

それがわかれば、ノートと照合して、どんな客だったかがわかる。

もちろん、あまり気乗りのしない客だったら、その時点でNG登録もできただろうし、

「金を稼ぐために我慢だ!」って気合を入れ直すことも出来たと、マドカは言う。

そして、前述した金にも心にも余裕があるっていう客層を優先的にチョイスしていったと。「これを根気よく繰り返してたら、店にとっても私にとっても「優良客」と呼べる客が残る」「うん」

「私のお客さんは絶対にまともなお客さんが多かった自信があるっていうのはそう言う意味」「なるほど」「理解してもらえた?」「すげーよくわかった。努力したってことね」

「努力ではないかもしれない。なんか努力って言葉を使っちゃいけないジャンルの気もする」マドカが必死だったってのは伝わってきてた。「でもね、私と店にとって優良客だったとすれば」「うん」

「それはヒロシにとってはイヤな客な場合の方が多いと思う」「だろうなぁ」

「3冊目、4冊目ってなればなるほど、そういうお客さんばかりだよ?リピーターばかりだし」「・・・。」それには、今言われてみて初めて気付いた。

1冊目のノートなんてまだまだほんの序の口だってことはわかってたつもり。でも俺を本当に苦しめる敵は、1冊目、2冊目あたりのノートでマドカに

NG登録されずに生き残り、リピーターとして、3冊目~のノートに登場する奴らなのだ。だがしかしソイツらは、俺の知らないデリ嬢としてのマドカの姿を、

ノートを通す形で俺に赤裸々に語ってくれる貴重な存在でもあるのだ。なんだか微妙にやっかいな奴ら。心の底から憎たらしくもあり、逆に羨ましくもある。「さっきヒロシが言ってた、ヘタクソじゃない、人もいるかもしれない」「うん」

「本番する人もいるかもしれない…」「それは確実にいるってわかってるけど…」「なんかもう早く楽になりたい、そろそろ見ようか…」「うん…」マドカが言ってた「楽になる」ってどう言う意味だったのかなって時々思い出す。

俺がマドカと別れるっていう選択肢を選んだのならば、それがある意味、

「マドカを一番楽にしてあげられた」のではないかと、俺はそう思うこともあったりする。2冊目のノートが開かれた。

その1ページ目には、目標金額の残高などは記入されていなくて、いきなり

顧客管理データがズラズラと並べられていた。最初の客が、いきなり240分コースで『フェ1』だった。

『歌が上手』『薬指に指輪の跡があった、たぶん既婚者?』『超ハゲ』

2冊目のスタートとしては、なんだかすごく安心した気がする。2~3ページ目でまた未完成の「正」の文字で数えてあったりして、

マドカなりにこのノートの書き方、およびその運用方法を探っていた様子が垣間見れた。

2冊目のノートが中盤に差し掛かった頃に、ノートの記入方法は、一応の完成を見た。プレイ内容は記号化され『フェ↑』 『ス↑』 『パ↑』などと書かれていた。矢印の数がそのまま回数を表すらしい。

矢印の初登場は、60分で『フェ↑↑↑』という、これまた初登場の3回発射だった。このページに関してマドカは、自分が3回も頑張ってしまったのがすごく悲しかったし、

なんだか悔しかったし、どうしても『3』っていう数字を書きたくなかったんだと言った。

この客以降のページは、すべて矢印で統一される。「なんで上向き矢印なの?」「昇天したって意味w」だそうだ。俺はマドカほど笑えなかった。そして、『手』っていう記入が少なくなり始める。

ノート1冊目に書いてあった『手で喜ぶお客さんが意外に多い』って言葉通り、

1冊目のノートと2冊目のノートの序盤あたりは、『手2』とか『テ1フェ1』

なんて記入が、実はとても多かったんだ。でもそれは、俺が思うにマドカがフ○ラやスマタが下手だったからで、

それでも客はなんとかして射精をしようとした結果、不本意ながら手コキでイったというのが真相だろう。その推論を裏付けるかのように、2冊目終盤になる頃は『テ』はほとんど見かけなくなり、

『フェ』に取って代わられることになるのだ。

これは、下手だったマドカのフ○ラがやがて絶賛され始めるという、掲示板で俺が見た流れと

残念ながらぴったりとリンクしてしまっていた。「お客さんにフ○ラ褒められたりした?」

「最後のほうは上手だって言われてた…、自分でも上手くなってしまったと思う…ごめん」

それは俺にとって辛いことだったけど、マドカの言葉に嘘がないことが唯一の救いだった。神経が擦り切れてきているのがわかった。喉も乾く。頭も痛いような気がする。

マドカがチラチラと、何度か俺の顔色を気にする素振りを見せてた。

やがてマドカがある記号を無言で指差した。         『↓』っていう下向きの矢印がそこにはあって、違和感たっぷりだった。

マドカが言うには既に何度かその記号は出現していたのだが、俺は気付かずスルーしていたらしい。

どうやら俺はよほど集中力が途切れてしまっていたようだ。「それは何の記号?」「昇天の反対…」

そう言われてもボンヤリしていて、一体何のことなのかピンと来ない。

マドカの次の言葉を待っていると、「私が…イった…」と彼女は消え入りそうな声で呟いた。 「初めてそうなったときはショックだっなぁ…」

彼女はいつもそうするように、遠い目をして、そして静かに語った。

「お客さんってお金を払っているせいか、けっこう受身の人が多いのね」「そうなんだ」

「だから私は、私が頑張ってさえいればいいんだって、そう思ってたの」「うん」なんとなく、俺もそう思ってた。

俺の妄想ではマドカはいつも攻める側で。

客は「俺は客だ!!!」と言わんばかりに大の字に寝てる。

そんな状況で、限られた時間の中、マドカは精一杯の仕事をする。

そして俺は、マドカが何でイカせたのか、何回イカせたのか、とかそんなことばかり気にしてた。「でも、攻め好きなお客さんってのもいてさぁ…」「…だよね…」

「自分はイかなくてもいいから、マドカちゃんはおとなしく寝ててなんて言われたり」「うん…」ある意味、発射ゼロで帰っていくというのは、こういう客も含めてのことなのだろう。 マドカは、俺が見逃したと思われるページまで戻って、初期の頃の『↓』を見せてくれた。

そこには『試練だ…』ってマドカの苦悩が吐露してあった。「正直、触られるなら触るほうがマシだし、舐められるなら舐めるほうが気が楽だった」

マドカはそう言ったあと「ヒロシには申し訳ないけど」って付け足した。俺以外の誰かをフ○ラしているマドカと、俺以外の誰かにク○ニされているマドカを、

俺は頭の中で交互に想像してみる。

どっちも嫌だったけど、今まで散々フ○ラしてる姿は想像し尽くしてきた。

でもク○ニされてる姿を想像するのはそれが初めてで、うまく想像できないぶん、

その未知のダメージが押し寄せてきて俺は打ちのめされた。「やっぱ、気持ちよくなっちゃうもんなの?」

「うーん…頭では全力で拒否してるんだけどね…」なんでこの土壇場になるまで、気付かなかったんだろう。

俺はマドカのお○ぱいが大好きだということに。

そしてマドカを指名した奴らもきっと大好きだったんだろうということに。集中力が途切れ始めていた俺に力が漲る。

そのエネルギーが嫉妬と寝取られM属性という、相反する感情が昇華されたパワーであることはもはや疑いようもない。

俺は、マドカが他の男にお○ぱい揉まれてる姿が見てみたい、とすらちょっと思った。

でも、それは現実的に不可能だし、だからこそノートから読み取ろうと、集中力を研ぎ澄ました。俺の想像が及ばないところは、マドカの言葉が補う。

「わかってるとは思うけど、私を指名するのはいわゆるお○ぱい星人なわけ」「はい」

「やっぱここまで大きいのは珍しいらしく、みんなビックリしてた」「だろうね」

「で、私もお金を稼ぐためにはこのお○ぱいが武器になる、とは思ったのよ」「武器…」

「だからパイズリとか、お客さんに教えてもらいながら、頑張ってたの」「あ、ちょっとちょっとマドカ」「ん?」パイズリの話はどうでもよくなってきたので制止する。

マドカがそのお○ぱいでどんな風に客を気持ちよくさせたのかではなく、

マドカのそのお○ぱいが客からどんな感じで色々されちゃったのかを知りたいのだ。

今の俺の興味は、そこに尽きる。「お客さんって、やっぱりお○ぱい触りたがった?」「なんかヒロシ、顔つきエ口くなったし…」

「ちょ、何言ってんの… す、すいません…w」「ま、いいけどw」マドカには、「自分は聞かれたことには正直に答えるしかない」から、

「ヒロシが凹まない程度にちゃんと自分でブレーキかけてね」って念を押された。が、しかし。たとえ俺がフルブレーキで止まろうとしても、その全てが書いてある

顧客管理ノートが目の前にある限り、俺はもう立ち止まれない。

玉砕あるのみ。マドカの制止を振り切り、逆にアクセルを踏み込んでいく。「お○ぱいかぁ…」

そう言いながらマドカが、その日何度目かの「遠い目」をする。

セリフを伴っているぶん、マドカが今確実に、客の男たちのことを

思い出しているってのが、俺にもリアルに伝わってくる。「んでんで?」

マドカの「遠い目」が「白い目」となって俺に向けられる。

どうやら俺のワクワク感を出し過ぎな感じが気に食わないらしい。

それでも、マドカは話を続けてくれた。「最初はやっぱみんな私のお○ぱい見てウワーってなって驚く」「うん」

「頬っぺたくっつけて、胸に顔を埋めるって言うのかな、そういうのって?」「うんうん」

「落ち着くー!とかそんなことを言いながら」「わかるw わかりすぎて逆に辛いわw」「男の人ってさ、けっこう当たり前にマザコンなとこあるじゃん?」「うん、まぁ」

「それからほとんどの人は決まって赤ちゃんみたいになるんだ」「んむ」「赤ちゃんだから、当然、乳首に吸い付くわな?」「え?う、うん」

「でも当然、ホントは赤ちゃんじゃないから、舐め始めるわな?」「は、はい…」

マドカはちょっとぶっきらぼうな言い方を選択して、そうやって俺をイジメる。

客とのプレイを詳細に語るということに、照れという感情もあったのかもしれない。

それと同時に、意味ありげな視線を俺に向けて、大丈夫か?って気遣ってもくれる。大丈夫だから続けたまへ的な視線を俺も返して、マドカは話を再開する。

「私も勝手にビクンッとかなっちゃうんだ」「うん…」

「アンッとか声も出ちゃうときもある、残念ながら」「出ちゃうのか…」

「さっきも言ったけど、頭では拒絶してるんだよ、それはわかってね?」「も、もちろん」 それはわかってはいるが、ビクンってなったり喘ぎ声を出したりするマドカ、

そしてマドカをそうさせているのが、自分以外の他の誰かであることに興奮を隠せない。「お客さんはもう完全に赤ちゃんじゃなくなってくるじゃん?」「うん」

「言ってる意味わかる?」「わ、わかってるよ」

マドカは時々こうやって俺に覚悟を促してくる。その度に俺は気を引き締め直した。「いっぱい触られたし、後ろから鷲掴みにするお客さんが多かった気がする」

マドカのその言葉を聞いて、俺はすごく納得させられるものがあった。お○ぱいって、その感触を十分に楽しむには、寝てる状態よりも起きてる状態のほうがいい。

寝てるとどうしても左右にこぼれ落ちちゃうし、後ろから両の手のひらで包み込むのが、

マドカのお○ぱいのボリュームを味わうベストなやり方なのだ。

それに背後から見下ろすお○ぱいの谷間がこれまた絶景なんだ。何言ってんだ俺は。水分補給したマドカが、何事もなかったかのように話を続ける。

「でさ、お客さんがアレコレ始めると、私は心を閉ざすの」「うん」

「体は勝手に反応しちゃうから、心は『無』で体は『素の私』って感じ」「はい」

「でも、濡れたりしないわけ。ハッキリ言って苦痛だし」「そうか」

「いや、わからん。もしかすると濡れてることもあったかもしれない…」「大丈夫、わかってる」いわゆる自己防衛反応だ。いや防衛「本能」というべきか。

それは単なる潤滑油であり、気持ちが伴っていなくても、発生するメカニズム。

女性の体は、自分の痛みを和らげる意味でも、愛液を分泌するのだ。「口では嫌がっててもアソコは濡れるじゃねぇかよ」などというアホな考えを持つ男は、

無知で身勝手で傲慢であり、そんな男どもは死刑でもおかしくないレベルの人間なのだ。それをマドカに説明すると、彼女は当然身を以て体験しているので、すぐに理解した。「当然、痛いの。ノートにヘタクソとか愚痴っちゃうくらいにw」「うんw」

「お○ぱいはまだ我慢できるんだけど、アソコは無理」「うん…」あー、とうとうま○こかよー、って俺は思った。欝勃起レベル80まで到達。「でもローションとかいう便利なものを持参していくわけじゃん?」「ほぉ」

「わかる?ローション?ヌルヌルのやつ」「俺だってローションくらいわかるわwww」「誰と使ったの?」      ( ̄- ̄) シーン…時々こういう話題がないと、場が持たない。

マドカが茶化すタイミングは絶妙で、そういうトークが上手いのもデリ嬢として必要な要素なのかも。

それに、今は美容師としても成功を収めているわけで、「客と話す」というスキルは高いのかもしれない。

よくよく思い返せば、掲示板には『癒される』の他に『一緒にいて楽しい』って書き込みもあった気がする。 「そしてそのローションってやつが、ある意味、非常にやっかいなの」「へー」

「どんなにヘタクソなお客さんでも、2割増くらいにレベルアップしちゃう」「テク?」

「テクってwww まぁ痛くはなくなる程度にね。根本的にダメなものはダメ」「あいw」「んで、相手によっては、本当にイカされてしまったこともある、ただそれだけの話」

マドカは『↓』の記号に関しての説明をちょっと強引に終わらせるように話を結んだ。それでも俺は質問を続ける。

「そ、それは、気持ちよかったのでしょうか…?」

マドカはすごーくエ口い顔つきで、

「気持ちよかったよって、ヒロシを興奮させたほうがいい?」

「それとも気持ちよくなかったよ、って安心させて欲しい?」

「ねぇ…どっちなの?」って俺を挑発するように言った。寝取られM属性をマドカに完全に見抜かれたうえで、手玉に取られている俺がいた。メチャ興奮した。「え? えっ!? 俺はえっと、その…」

パニクって挙動不審になってしまった俺をマドカがからかうように笑ってた。

「正直に話すって言ったでしょw 99%苦痛だったってば」「あ、うん…え、残り1%は…」「あとさ、計算高い女だって思われるかもしれないけどー」

マドカは俺の質問を遮るかのように話を続けようとした。

あとで聞けばいいかぁ、いや、きっとタイミングを見てマドカのほうから話すつもりなんだろう。「感じてるフリ、イったフリ、ってのは当たり前のようにしてた。要するに演技」「へー」

「男の人みたいに単純じゃないじゃん?見た目で判断できないというか」「うん、そだね」男はいたってシンプル。ドピュって白いものが放出すれば、それがイった証拠とみなされる。 「イったって思わせないと、いつまでも終わらないんだよ、苦痛の時間が」「なるほど」

「それにさ、下手に声が出るのを我慢したり、堪えたりするとするじゃん?」「うん」

「女が必死に耐えてる姿に男の人って興奮しちゃうもんなの?」「なんとなくわかるような気もする…」

「で、男の人ってなんとかして喘ぎ声出せようって思うのか、ますます頑張り始めるんだよね」「うん…」

「そうなると強引で乱暴っていうか、逆に女は、特に私の場合は、嫌がるってのがわかってない」「そっか…」やっぱり楽な仕事ではない。

ただでさえ嫌なことをされるのに、それがさも嫌じゃないことであるかのように演じ、

あたかもそうされることで気持ちよくなったとその相手に思わせなくてはいけないなんて。そう思いながらも、俺は客の視点で、その一連のマドカの行為を思い浮かべてみる。

本人は自分の身を守るためにしていることでも、客目線で見れば、目の前でマドカが喘いでいるのだ。

小刻みに体を震わせ、声にならない声を上げ、最終的に絶頂に達するのだ。たとえ演技だとしても、結果的にお客さんを悦ばせてた気がして、欝だわw客を大きく分けると、2種類いて。

今から特徴を挙げるコイツらは、さっきのアイツらとは対極に位置する客たち。プライベートでもそこそこ女にモテるタイプで、鼻息を荒くするようなことはない。

わざわざデリなど頼むのは、風俗はお金を払って楽しむモノと割り切っているので、遊びに来る感じ。

清潔感も社交性もあり、おそらくはNG登録されていることなどない、根本的に前者とは違う人種。

AVは男視点の作り物だときっちり理解してるので、AV男優の真似事など決してしない。

自分勝手なところもなく、逆に嬢を気遣うことができる、分別のある大人の男性たち。

平均年齢もある程度高く、そのため女性経験や風俗経験も豊富なのか、プレイにおいてはとにかく優しく扱ってくれるらしい。

そしてロングコースを選ぶ確率が高く、お釣りは要らないから的なチップをくれる場合も非常に多い。簡単に言えば、心にも金にも余裕があるって、マドカがそう例えた客層のことだ。

最初は何のことかわからなかった「遊び方がスマート」ってマドカの表現が、俺にも分かりかけてた。 あくまでも、極端に大きく2つに分けた場合、と強調しておきます。

前者にも後者にも、もちろん例外がいるし、他にも細かく分けられるはずだし。

このスレを見ている方々にも風俗利用者はたくさんいるだろうし、気を悪くしないでね。「そういうお客さんって、そもそもの絶対数が少ないから、呼ばれたらラッキーって感じ」「うん」

「私だけに言えることじゃなくて、デリ嬢にとっては歓迎すべきお客さんって意味ね」「はい」

「安心安全な相手っていうか、それでも警戒心を解くことはなかったけど」「うむ」

「でもやっぱり、私はただでさえ不安な毎日過ごしてたから」「だろうね」

「呼ばれても嫌じゃないっていうか、ちょっとホッとしちゃう相手もいたんだよね」「・・・。」そういう客はたいていの場合、既婚者で、年齢も一回りくらいは上だったそうだ。

人生の酸いも甘いも噛み分けてきたところが、マドカにとっては魅力的に思えたのかもしれない。 若くても30代半ば。70代後半~80代前半っていう猛者もいたそうだ。

「私おじいちゃんのお客さん大好きで、介護みたいで楽しかったwww」「介護ってwww」

「でもすごくスケベなんだよw」「え?チ○コ勃つの?」

「勃つ勃つw 孫みてぇだ~とか言いつつ、孫相手にハッスルしてたw」「俺もそうありたいわw」なんかマドカは本当に楽しそうに話してて、俺は相手がおじいちゃんなら不思議と許せた。

スケベだったとは言われても、きっとマドカを可愛がってくれたんじゃないかなって、そう思えた。「ヒロシ、それでね…」

一時の和やかな雰囲気も、マドカのその一言で急に緊張が張り詰める。

「そういう雰囲気を持ったお客さんの中に、ごく稀に、その…上手な…人がいると…」

「おじいちゃん連中の中にか?www」 

ここは俺が茶化してあげるべきところだなって思って、あえて冗談を言ったよ。喉がカラカラだった。「違うよwww おじいちゃんは違うwww」「いや匠の技なのかとwww」

「おじいちゃん無理させたら死んじゃうwww」「ちょwww」爆笑したあとに、ちょっとだけ間を置いて、俺はこう聞いた。

「で、マドカを気持ちよくイカせちゃうのは、30代~40代くらいの人だったのか?」

今更だけど、マドカにそう言わせるのは酷なような気がして、俺のほうから言ってみた。

「え…。うん…まぁそのくらいの人たちだったかなぁ…」

マドカは一瞬だけ固まったけど、すぐにそう答えた。心なしか安堵の表情が見て取れた。マドカを気遣ったつもりで、強気に「気持ちよくイカせちゃう」なんて表現を

使った俺だったけど、マドカはそれを否定せずにあっさり認めてしまった…。「マドカ…、バカ正直に答えすぎ… (´;ω;`)」

「あわわ、ご、ごめん。嘘つくよりは正直なほうがいいのかと思って…ごめん」まぁいい。わかってはいたことだから。

それにマドカが仮に「イったけど全然気持ちよくなかった」って言ってくれたとしても、、

おそらく俺はこの先もずっと「本当は気持ちよかった瞬間があったんだろう?」って思い続ける。

マドカに対してそんな疑念を抱きつつこの先も一緒に過ごすくらいなら、いっそのことこの場で

洗いざらい白状してもらったほうがいいし、まさに今がそういう場として設けられた機会なのだ。それでもショックは隠しきれず、ちょっとヤケクソ気味で聞いてみる。

「イクぅぅぅ、とか言ったりしたの?」「言うわけ無いでしょ、勘違いしないで」

マドカは不機嫌そうに俺を睨んだあと、落ち着かない様子でソワソワしてた。「イったフリでも、本当にイったとしても、それをワザワザお客さんに伝えたりしないよ」「うん」

「そりゃまぁ、相手からイった?って聞かれたときはさ」「うん、聞かれたときは?」

「待ってました!とばかりに、ハイって答えてたよ」「そうなんだ…」なんだよそれ、どんだけ従順な女を演じてたんだよ、って思ってしまった俺はやはり鈍感だった。要するに、これは嫉妬丸出しの質問だった。

俺は、心にも金にも余裕があるっていう客たちに、心から嫉妬してた。

客としてではなく、人間としても、羨望の眼差しで見てしまっていたのかもしれないのだ。とにかくなんか気に食わんなかった。マドカは、何回も求めてくる客の方が仕事と割り切れば扱いやすいって言ってた。

それなのに、NGにしちゃう場合も多かったと俺に教えている。

その一方で、ロングコースの客からは、何回もリピートされたりして、

仲良くイイ関係を築いていたかのような、そんな印象を俺に与えていたんだ。「ソイツらってさ、自分でマドカを選んできてるように見えて」「うん」

「実は、マドカにも選ばれてるよね?」「え?それどういう意味?」

「だってNGにされないで、生き残るわけでしょ?」「そうか」

「ノートで管理してた中で、マドカがこの人はOKって選別したわけじゃん」「まぁね」俺の嫉妬を察したであろうマドカは、また先生みたいな感じになって優しい口調になる。

「あのね、遊び方がスマートってのは、決して褒め言葉ではないんだぞ?」「え?そうなの?」遊び方がスマートじゃないほうの客、つまりは短時間コースで何回でも

イキたがるような客は、忙しいし、疲れるし、もちろん仕事の量は多くなる。

でも、それでも、マドカにとっては精神的にそれほどキツくはなくなっていくらしい。それは、事務的に淡々とプレイをこなすほうが、心を閉ざすには都合が良いという意味。

そして、気持ちよかった、っていうただその1点のみでリピートされるのであれば、

次回も同じことを繰り返せばいいだけなので、そう言う意味でも扱いやすいと。それに対して、心と金に余裕がある客の場合はロングの割に仕事の量は少なくて済む。

呼ばれて安心安全ってのは、疲れないからラク、休憩時間が長いからラク、という意味合いが強かったらしい。ただし、精神的にはどうかというと。

頼んだコースが長いのに、プレイ時間が短い客が相手だと、それはそれで緊張感を伴うらしく、

何もしないでただ話している時間が精神的に疲労する時間でもあったという。

それは、デリ嬢としてのマドカではなく、マドカをひとりの人間として評価されたり、

試されているように思える時間で、とても怖かったと彼女は真剣に言っていた。「どっちもどっちだよね。お金を稼ぐため、私にはどっちも必要だったし」「そっかぁ」でも最終的に、金払いが良い客の方が生き残るのは間違いない。

でもそれは、マドカが選んだ、というよりも、自然淘汰に近い形だったのだろう。 「というわけで、心にもお金にも余裕があるお客さんが」「うん」

「私のお気に入りだったなんて、そんなことはないわけです」「はい」

「ヒロシが嫉妬しちゃうような観点で選んでいたわけではありませーん」そういう言葉を待っていた。

マドカは俺の嫉妬を見抜いた上で、俺を一番納得安心させる言葉を使ってくれた。金にも心にも余裕があるっていうソイツらに、俺は嫉妬とともに劣等感を抱いていたのかもしれない。

人生でもウマいこと成功しているかのような、そういう勝手な想像で、ワザワザ敵を大きくしてしまってた。。

ソイツらにマドカの心も体も奪われてしまったって、ガキみたいに拗ねてる俺がいたんだ。つまり、「女の扱いが上手い」とマドカに言わしめたソイツらに、口説き落とされるような形で

マドカは体を許してしまったんじゃないかって、俺はそういう観点で心配してた。でもどうやらそれは違ってた。これでようやく本当に知りたいことに踏み込める。これから先は、マドカにとっては、一番知られたくない内容が含まれてくるはず。

でもそれは同時に、さっさと話し終えてしまったほうが楽になれるのかもしれないとも思う。じゃ俺は?俺にとってはどうだ?さっさと聞き終えてしまったほうが楽なのか?

いやそれは違う。

聞く前、聞いてる途中、聞き終えたあと、となるにつれて俺のテンションはガタ落ちになっていくはず。だけど、サラッと駆け足でテンポよくマドカが話し終えてしまうのでは、納得がいかないのだ。マドカは自分に都合の良いことばかりを言うつもりはない、と最初に宣言してくれてたけど、

プレイ内容に関しては時々ボンヤリとした表現で誤魔化そうとしてた。

それが俺に対する気遣いだとわかってはいたのだが、俺はついつい踏み込んでしまう。なかなかさじ加減が難しい問題だった。だがしかし。

ボンヤリとした表現をハッキリとした表現で言い直されると、その度に俺は興奮してた。

ある意味それはちょっとしたプレイのようで、俺にとってもマドカにとっても、

言葉責めのような状態になるときもあった。「アレコレって?ハッキリ言ってよ」「え、それは…」

もちろんマドカは俺が質問したことには、きっちり答える覚悟はあるんだ。

「お○ぱい触られたり、舐められたり…」「それだけなわけないよね?」

マドカは俺の視線をちょっと気にしながら、今度は俺を追い込む側に回る。

「アソコもいじられたよ。舐められる時もあったし」「ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!」俺は少しだけ大袈裟に驚いてみせたり、あるいは本当に凹んだり。

まどかはそんな俺を適度に気遣いながらも、ちょっとだけ焦らしたり弄んだり。あんまりシーンとするのは嫌だったから、お互いに明るく振舞うようにはしてたんだと思う。 「でも舐める人は少ない。ってかほとんどいない」「そうなのか」

「私はお金払ってもらう側だし、仕事だし?」「うん」

「当然のようにフ○ラでちん○ん舐めないといけないけど」「はい…」

「金を払う側であるお客さんには、選択権があるからねぇ」「たしかに」

「ワザワザお金払ってまで舐めるようなとこでもない気もするんだけど?」「うーん…」

「まぁずっと舐めてる人もいたけどね」「うわぁぁん」俺の想像では、いつも攻める側で、エッチなことをしてあげる側だったマドカ。

大の字でただ寝ているだけの客。その客に覆い被さるようにしてマドカが仕事をするんだ。でもそれは、デリ嬢としてのマドカ、の半分しか捉えていなかった。

俺はマドカの「生の声」を聞きながら、掲示板で得た情報を元に構築していた

「想像上のマドカ嬢」の姿に修正を加えていく。「私、舐められるの結構好きだったかも…」「え…」

「手で強引に痛くされるよりはマシだったって意味でねw」「…いじわるすんなよw」

「それにさ、舐められる=クサくない、って事かなって」「うん」

「そんな風に解釈してるとこもあってさ」「そんなこと気にしてたんだ」

「女の子ならみんな誰でも気にしてることですぅー。べーだ」

マドカはちょっと舌を出してアッカンベーみたいな仕草で俺に悪態をつく。「好きでもなんでもない客相手でも、そんなこと気になるもんなの?」

「相手が好きな人なら尚更気にするけど、一応、客商売ですから?」

「俺としては臭いま○こ舐めさせてやれって感じだわw」「わははw って、え?」

マドカはそこでフッと気付いたように、不安な目で俺を見つめる。「あれ?あ、あの、私ってクサくな…いよ…ね?え?クサい?」「教えない」

「そっちこそいじわるしないでよぉー」「今日いっぱい嗅ぐ」

「ちょw なにそれw いやだw まじでw」 「ってゆうかさ、マドカの体、俺今日ゴシゴシ洗いたい」静寂が訪れた。俺が放った一言は結構重かった。(いやクサイって意味じゃないからね「ごめんなさい」「いや、今更洗うのも手遅れなんだけどもwww」

「いや、そんなことないゴシゴシしてください・゜・(ノД`)・゜・」

「洗いっこしよ、洗いっこ。2人で。一緒にお風呂入って、ね?」「うん><」笑ってばかりではなかった。時々こうして虚しい怒りと悲しみにも襲われたよ。

でも、言いたいことは言いたかったし、終わったこと過去のことだって割り切れない部分もあった。

これが本来の正しい姿であるような気もしたし、こうあるべきだとも思った。今考えると、体洗わせろって、結構ヒドいこと言っちゃったかなとも思う。

でも「エッチなことをしてきたマドカ」への耐性はあったんだけど、

「エッチなことをされてきたマドカ」に対する耐性は俺にはまだ備わってなくてさ…。それでも必死に頭の中で、デリ嬢マドカ、を再構築してた。

マドカも全裸で大の字に寝せられてて、客がジロジロその姿を見てる。

大の字だったマドカが、くの字になって、後ろから客が体を重ねて、

お○ぱい揉まれたり、首筋に舌を這わせられ、ビクンってなったり。

やがてマドカは両脚を広いて、その付け根に客が顔を埋め、貪るように舐めてる。

その男がゆっくりと振り返ると、その顔は、今度こそ本当に俺じゃなかった…。掲示板には載ってなかったデリ嬢としてのマドカのもう半分の姿を想像しながら、俺は悶々としてた。気まずい雰囲気になりつつも。

最後まで話をする、最後まで話を聞く、ということに関しては、

大部分で俺とマドカの利害は一致してるので、とりあえずは前に進む。「あ、ヒロシ。ちょっと訂正する」「ん?」

「アソコ舐める人はほとんどいない、って言ったでしょ?」「ク○ニ?」

「う、うんw それ私のお客さんに限って言えば、多かったかも」「え…」

「だってしょうがないじゃん。リピーターが増えるんだもん」「うん」

「1回そういうことした人はまたするんだもん」「クサくないってことじゃん」

「あ。でも、それは私には分かんないからノーコメント」「じゃ夜にでも俺が教えてあげます」

「お、お願いします…」

マドカは不満そうにしつつも、力なく承諾した。俺はマドカとくっついたり離れたりを繰り返してはいたものの、

やっぱりコイツとはウマくやっていけるんじゃないかなって、そんな気がしてた。「んでんで?マドカ、続き続き!」「あいw」

俺は単純で馬鹿だから、凹んでも凹んでも続きを心待ちにしてた。「あれ?どこまで話したっけ?」「ん?なんだっけ」

「忘れちゃった」「じゃ、ちょっと質問。本当にイっちゃう時は何されてたの?」

「え?あ、えっと…ク、ク○ニ…?」「疑問系にすんなよ、俺に聞かれても知らねーよ」

「ぎ、疑問系にしたんじゃないよ。ク○ニって言うの恥ずかしかったんだよ!」「うん…w」俺の頭の中では、客に大股開きにされてるマドカの姿が、もはやハッキリと想像できた。

心は閉ざしているようだが、客の舌の動きに合わせて、かすかに反応してるようにも思える。だが次の瞬間、俺の頭の中のマドカが、体勢を変えることになる。「あー、私ね。シックスナインのときにイっちゃう時が多かったかも」「・・・。」_| ̄|○ シックスナイン…。「本番」って単語の次に、俺はこの単語が苦手だった。

しかも「ク○ニ」って言うのを恥ずかしがったマドカなのに、

「シックスナイン」は結構ハッキリ堂々と言いやがった…。シックスナインは、相当マズイです、これ。俺的に。だってそうだろう?フ○ラやク○ニって、どちらかが一方的にする行為だもの!

「自分はお金を払ってもらう側」だから「当然のようにフ○ラでちん○ん舐めないといけない」

「リピーターが増える」のだから「1回ク○ニした客はまたする」

確かにマドカの言ってたことには一理ある。納得できるし許す。いや許すしかない。でも、シックスナインはぁあああ、なんかぁああ、客との共同作業という感じで、かなり凹む。それに。俺は「客にフ○ラをするマドカ」を想像して、「客にク○ニされてるマドカ」

ってやつも、ついさっきようやく想像できるようになったばかりのとこだった。

その2つの想像、2人のマドカを、いきなり組み合わせて想像しろと?同時進行させて?

いや客も合わせて実質4人だこのやろう。2+2は4なのに、2+2は2だぞ。頭大混乱。そんなわけで、俺の頭の中でク○ニされてるマドカは突然、体勢を変えられ、四つん這いになった。その日一番の心の乱れ。

思えば大した覚悟もなしに、何気なく質問してしまった気もする。

「本当にイっちゃう時は何されてたの?」だなんて、聞き方もマヌケだったように思えてくる。

返ってきた答えは「されてる」時じゃなく「されながら、してあげてる」時だった。コレはキツかった。それは、あまりの興奮でチ○コが弾け飛びそうだったって意味でも。 俺の凹み方は尋常じゃなかったらしく、マドカがとんでもなく慌ててた。

「ヒロシ、戻ってきて!お願い!これに関してはちゃんとした説明をさせて!」

肩を揺すられ、ほぼ魂が抜けかけてた俺に、マドカのその言葉が遠くから聞こえた。いやこれは結構ダメージがデカい。

どんな説明をされても、決してそれが軽減されることは無いだろうと確信に近いものがある。

それでも俺は耳を傾けねばならない。俺にはマドカの話を聞く権利も義務もある。

だって、俺が質問したんだもの…。聞かなきゃよかった…。それでもビンビンになってるチ○コが憎たらしい。オマエはなぜ萎えないのか…。「お、お茶をくだせぇ…w」「は、はいw」

一旦冷蔵庫に戻しておいたペットボトルをマドカが取りに行く。

テーブルの上には開きっぱなしのノート。

マドカは油断してるのか、それとも俺を凹ませてしまった事でそれどころではないのか、

「ノートは勝手に見ちゃダメ」とかそんな警告もないままにその場を去った。

勝手に盗み見る気はなかったけど、自然と目に入ってきた『↑』や『↓』の記号が、

さっきまでよりも全然気にならなくなっていた。それくらいシックスナインのダメージが大きいということだ。それに俺もちょっとノートの存在を忘れかけてた。

掲示板よりも、ノートよりも、マドカの口から直接語られるほうが威力は絶大で、

俺に与えるダメージも、そして興奮も大きくて、もうヘトヘトだった。気力を振り絞る。マドカが戻ってくる。

「なんか、俺たちノートそっちのけで喋ってたな…」「あら、ほんとだ」

空っぽになった2つのコップにお茶を注ぎながら、清ました顔でマドカが言う。

「もう燃やしちゃう?」「ダメ」

即答で却下した俺に、マドカがチッと舌打ちで応戦した。おそらく早く燃やしてしまいたいとは思ってて、でもそれを俺が許さないこともわかってる。

テーブルの片隅にタバコとセットで置いてあったライターをカチカチさせながら、

「燃やしちゃうぞー?w」ってマドカがまた笑う。

俺が嫌がるとわかってて発したその脅しの言葉は、すぐに冗談だとわかるものであり、、

それはマドカにまだ余裕があることを意味してるような気がした。でも俺にもう余裕はない。さっき口にした「ちゃんとした説明をさせて!」って言葉にも、どこか冷静なものを感じたし、

マドカとしてはシックスナインという行為は、まだ通過点でしかないのかもしれない。そりゃそうだ。密室で過ごす裸の男女がここまできたら、もう向かう先はアレしかない。「ちゃんとした説明って?」

呆然唖然としながらも聞き逃してはいなかったその言葉の意味を話すよう、マドカに促す。

「まぁ、とりあえず飲めや」「お、おう…」

思わず乾杯でもしてしまいそうな雰囲気があったのは、マドカの気遣いのおかげ。

でも、その気遣いを腹立たしく思ってる俺がいて、自分でも不思議だった。「ちゃんとしてるかどうかはわかんないけど」「うん」

「順序よく説明させて?正直に本当のことだけを言うし」「はい」やっぱりマドカは冷静で、それに釣られるように俺も落ち着きを取り戻…せない。「お客さんにアレコレ…じゃなくて…、お客さんに私が舐められてる時にさ」「うん」

ワザワザ言い直すところがバカ正直で律儀だ。でもなんだかイジメたくなる。

「ク○ニねク○ニ?」「はいはいそうです、ク○ニされてる時ですぅ」再びノってきた。

ようなフリをしてた。俺の気持ちは晴れていない。なんかおかしいんだ。「さっきもちょっと言ったけど、ヤバいなぁって瞬間があるわけです」

そこまで聞いて、思わず口を挟みたくなる。「それはあれだろ、クリを優しく舐められたりとかしてるときだろ?」

俺は偉そうに、そう言ってた。ダメだ、こんな言い方するつもりないのに…って思いながら。俺だってそんなの知ってる!

俺こそがマドカの体のことを一番知り尽くしている男なんだ!

って、そう自己主張してやりたかったんだ。今考えると、すごく惨め。余計なチャチャを入れ、空回りしたような気がした。

なんか本当におかしくなってきた。手が震えてて、額に汗をかいていた。「そうだね、それに関してはヒロシが一番よくわかってることだよねー」

俺の空回りは、それでも俺の意図をマドカが見事に汲み取ってくれたことで、

それほど醜態を晒さずに済んだようにも思えた。

マドカはまるで赤ん坊をあやす母親であるかのように優しく微笑んでくれてる。

でも、マドカに優しくされても、心のモヤモヤが晴れない。「デリ始めた当初はさ、私がイカせてあげればいいもんだ、って思ってたの」「うんさっきも聞いた」

「でも実際はそうじゃなくて、私もそういう扱いを受けるじゃん?」「そういう扱い?」

「あ。ごめん。私もお客さんにエッチなことをいっぱいされるじゃん?に訂正」「許可します」ここまでのやりとりは、およそ2時間弱くらいかな。

そのあいだに、マドカは、どういう言葉や表現を使えば、俺が納得、安心、そして興奮して

しまうのかを巧みに理解したようで、話すテンポもテンションもちょっとずつ上がっていく。「私はお金も払ってもらうし、仕事だから、頑張ってイかせてた」「うん」

「でも自分がイっちゃうのは絶対ありえない!って思ってたの」「なぜ?」

「だって相手は見ず知らずの人だし。さっき会ったばかりだし」「は?」

「え?」「つか、それは客側からマドカを見ても同じことだろ?」自分でも、なんか言葉にトゲがあるなって、気付いてた。「そ、それはそうだけど」「初対面でも、現金を介して、そういう役割を果たすんだろ?」

「う、うん…」「そういう仕事だったんだろうが」

ちょっとだけキレ始めた俺に、マドカは違和感を感じ、怯えてたように思う。そして、俺はさっきから自分がなんでイライラしてるのか、その理由に気付き始めた。「それにさ、オマエ、俺と初めて会ったときだって、そうなったじゃねぇかよ…」

「はぁあああああ!?『それ』と『これ』とを一緒にしないでよ!!!アッタマきた!!!」テンポ、テンションだけではなく、マドカの怒りのボルテージも急上昇。冒頭で書いたとおり、俺がマドカと初めてヤったとき、彼女は処女だった。

でも、その行為中に俺はマドカを何度かイカせたりもして、マドカは初めて味わうその感覚を

「こんなに気持ちいいのかぁ、ビックリだなぁ」って子供っぽい表現で教えてくれた。

そして、俺とマドカがそういう関係に至ったのは、サークルの集まりで初めて出会ってから

わずか数時間後のことだった。初対面ですぐ、って意味ではデリと大差ないのだ。俺はそこに気付いたときに絶望的な気持ちになった。マドカは、金を稼ぐために色んな事をしたし、金を払った男たちも色んな事をマドカにしたんだろう。

俺は金こそ払わないけど、金を払った客たちと同じようなことを、マドカにするしマドカからしてもらえる。初めて会った時もすぐヤった。

数年後に再会した時も、それほど時間はかからずに、セクロスした。

面識があり、かつてヤったことがあるから、その延長戦みたいなもんで、

俺とマドカはまたそういう関係になっただけのような気もする。それって、デリで言うところのリピーターみたいだな、と俺は思ってしまった。

そう考えると、俺と客の明確な差ってなんだろうって、自信がなくなってきてた。怒りに震えるマドカ。その目はちょっと潤んでいるようにも見えた。

「マドカ?」「もういい。帰って。やっぱりダメだ。一緒にはいられない」書き忘れてたけど、マドカの部屋で過ごしてた。テーブルの上のタバコは俺のもの。

タバコに火を灯す。それは、俺は帰ったりしないという意思表示。「一応、聞くけど。『それ』と『これ』とを一緒にしないで』の言葉の意味」「うるさい」

「『それ』ってなに?っていうか『誰』?」「…ヒロシだよ」

「んじゃ『これ』ていうのは?」「デリのお客さん達…」

「どうちがうの?」「違うに決まってるじゃん。うっさいな、もういいってば」

「ちゃんと答えて」「ヒロシとは好きだったからそうなったに決まってるでしょぉおおおぉ」俺は泣いた。好きだったからそうなった、というその一言で。

俺はその他大勢の客とは違うんだぁあああ、って大声で叫びたかった。それまで怒ってたマドカも急に泣いた。

2人とも少しずつ少しずつ溜め込んでいたダメージが一気に溢れた。「ありがと。そう言って欲しかったんだ俺」「…え?」

「いや、俺と客との決定的な差を、見い出したかったもので」「…は?」

「それにマドカの本音を聞きたかったし。ワザとあんなこと言ったゴメン」「・・・。」マドカは、キョトンとしてて。

その表情からは、憑き物が取れた、的なモノが読み取れた。 俺は淡々と語るマドカが機械的でちょっと怖いときがあって、

それは覚悟を決めた大人の女性の姿だったのかもしれないけど、それが逆に不満だった。マドカが俺のことを好きで、一緒にいたいと思ってくれている事は伝わってきてたけど、

直接マドカの口からは「好きだからずっと一緒にいたい」とは絶対に言ってくれなかった。「選んで」とか「判断材料にして」とか、そして時には

「色々知っちゃったらヒロシは私とエッチしたくなくなる」みたいな事まで言うし。そうじゃなくて、もっと感情を剥き出しにして欲しかったんだ。

そんなに構えずに「これからも一緒にいたい」って言って欲しかったし、

「選んで」なんて言い回しを使わず、むしろ「私を捨てないで」って

縋り付いてくれたほうが、どんなに気が楽だったことか。 「それに、俺さ」「うん」

「なんか受け入れる自信、あるんだよね」「変態だから?」

「ちょw その言い方やだw まぁ、そうなのかもしれないけど」「うんw」

「うまく言えないけど、マドカの過去を受け入れるのに、最適の人材というか」「人材w」

「ちょっと興奮しちゃったりとか…病気かな?」「末期だよねw」マドカの口数も少しづつ増えだして、俺をちょっとからかってくれるのが心地よい。「なんか俺のそういうとこも、マドカに受け入れて欲しいというか…」

「とっくに受け入れてます。ってゆうか、ヒロシのそういうとこにちょっと期待してたり…」こうして、俺の寝取られM属性は、ちょっぴりマドカの公認となる。「なんか、悔しいんですけど。うまく丸め込まれたみたいで」

怒りとショックで感情を爆発させたマドカは、冷静さを取り戻し、顔つきもちょっと変わった。

丸め込んだつもりも、機転を利かせたつもりもなかったけど、事態は良い方向で収束した。「ごめんな。怒っちゃったか?」「怒ってはいない。逆にスッキリした。ありがとう」俺が伝えたかったことを、マドカにもう一度話して、

「ありのままのマドカ、素直なマドカを見せてくれていいから」

って、最後に付け足し、

「わかった。私も素直に言いたいことは言うね。自分の気持ち」

マドカはそう約束してくれた。「それに言いたくないことは言わなくてもいいよ、本当に」

「いや、それはダメだ。ケジメとして全部話す。その上で言いたいことも言う」「わかった。んじゃそういうことで、続き続き!」「スケベ」

「はいぃ?」「言いたいことは言うから」

素直に言いたいことは言うと約束して、即、マドカが言ったのは「スケベ」だった。

「あ、それからさ。ヒロシ、しばらく正座してて」「え?」

「私を泣かせた罰として正座。」「え?俺も泣いたし」

「早くして」「は、はい…」俺は正座で座り直し、お茶を一口くちにした。

そこで、2時間近く勃起してたチ○コが、小さくなっていることに気付く。

なんだかやけにお茶が美味かった。マドカの根っこの部分を引き出したくて、手荒な賭けに出た。

ギリギリのところで賭けには勝った気がするけど、帰って、って言われたときは超焦った。

おそらくそのとき、チ○コが縮んだのかもなって、思った。 これでいいんだ。正座させられたけど。

今からどんな辛いモノを目にしようとも、俺はマドカとずっと一緒にいようと心に決めた。

それに今思い出すと、正座させられてマドカの過去を聞かせられるなんて、

なんという素晴らしい御褒美だったのか…、とも思ったり思わなかったり。そしてマドカはちょっとだけ饒舌になる。ノってきたのかもしれない。

俺を「変態」呼ばわりしたり「スケベ」と言ったり「正座させた」り、

そんなことを考えつくのも、マドカがノってきた証拠なんだろうと思う。「んで、ヒロシくん。どっから話せばいいのかな?(キリリ」

なんで急に「君」付けになりやがった…と思いつつ、メガネをキリリと持ち上げるその姿に萌えた。「シ、シックスナインのとこからです、マドカさん」

俺も「さん」付けで返して、マドカが笑う。シックスナインって単語も慌てずに言えた。「順序よく話すね」「うん」

「私さ、お客さんに舐められたりしてる時とかって」「うん」

「体はビクンってなったりはするけど、心は閉ざしてて」「うん」

「でも頭のどこかでは結構冷静で、ぼ~っと天井を見上げながら」「うん…?」

「残り時間のこととか考えてたの」「ってゆうか天井?シックスナイン中なのに天井?」

「あw まだそこまでいってない。ちょっと待って、順序よく話すからw」「あいw」さきほど急に四つん這いになってしまった俺の頭の中のマドカ嬢が、

再び大の字に寝せられて、大きく脚を開いた。

ただ、目を閉じているもんだと思ってたマドカが、目を開けてたことは意外だった。

俺の妄想の中での視点が、ふっとマドカの主観視点での映像に切り替わり、

そこにはマドカのアソコを舐めてる男の顔がアップで映し出され、とても嫌な気持ちになる。

マドカが天井を見上げてしまってた理由が、ちょっとわかった気がした。「でね、やっぱり自分でそういう感覚わかるじゃん?」「ん?」

「あーこのままだと私イっちゃうかもしれないな、って」「う、うん…」

「もちろんそんなの望んでないし、無理無理って思って」「うん」

「だから最初は、そういう感覚になったときは」「ときは?」

「役割を交代したんだ。要するに強引にフ○ラにもっていった…w」「え…w」マドカはテヘペロな感じで笑ってたたけど、

俺は自ら積極的にフ○ラをしようとするマドカを想像してしまい、ドキっとしてた。

お客さんを押し倒し?チ○コを奪うようにして?このマドカが…?その姿は、意外に似合ってるような気がして、欝だった。体デカいしね…w「そろそろ私が頑張ります!とか」「う、うん…」

「タッチ交代です~、とか言いながら」「なんか簡単に想像できる…」

「どういう意味?」「いやなんでもないです」

「そうやって最初はうまいことピンチを凌いでたw」「ピンチだったのかw」

「そりゃそうだよ。何回でも言うけど、私は望んでなかったし」「うん」

「知らない人にイカせられちゃうなんて、すごーくイヤだったもん」「はい」俺はイカせたけどね。ちょっと場違いな優越感を得て、俺は自己満足に浸った。「でも、結局はイっちゃうんだけどね。ショックだった」「あううう…」

俺の優越感はあっという間に壊れ落ちてしまうのだけど、それでも

「結局はイっちゃう」っていうマドカの言葉に、何か違う種類の高揚感を覚えた。「それでね本当にイっちゃったときは、もうタッチ交代できない状態だったの…」無理矢理押さえつけられてク○ニされてるマドカを想像してた。でも違ってた。「そのときはもうシックスナインだったから。意味わかる?」「わ、わ、わかっちゃいました…」それは、体勢を入れ替えたり、攻守を切り替えたりすることが、不可能であることを意味してた。

まさに「されながら、してあげてる」状況。マドカ絶体絶命のピンチである。つまり、マドカが得意としてたと思われる、

「自分からフ○ラへと切り替えて、イカせられちゃうピンチから脱する」

って方法が通用しないのだ。シックスナイン恐るべし…。 もうやだ…w「私、逃げられなかった…」「そうか…」おそらくマドカは本当に逃げられなかったし、そして逃げなかったのだ、と思う。

自分はデリ嬢で、それが仕事で、金を稼ぐためなんだって、覚悟した瞬間があったのだと、俺は思った。それを確かめたかったわけじゃないけど、次に俺がした質問に対するマドカの答えが、

俺の予想があながちハズレてはいなかったことを証明するんだ。「ってかさ。シックスナインそれ自体を、拒むとか?しなかったの?」

「しない。お店がホームページに掲げてる『基本プレー』ってのは…」「うん」

「私は…一生懸命頑張った。だって仕事だもん。お金も払ってもらったし」「そっか…」マドカの、根は真面目、なところが仇となる形で、

手を抜いたりサボったりは出来なかったし、しなかったのだろう。

掲示板の「プレイもしっかりしてる」という評価はこういうところを意味していたのだ。俺としては複雑だったなぁ。

掲示板の他のスレッドでは、いわゆる「地雷嬢」が基本プレーも

ロクに出来ないし、する気もない、と連日のように叩かれてた。客の書き込んだ内容を見る限りでは、仕事をナメてるとしか言い様がない嬢もたくさんいたんだ。

そんな地雷嬢でも、時間あたりに稼ぐ単価がマドカと変わらないのかと思うと、悔しかった。

まぁ地雷嬢も自然淘汰されていく運命で、結果的に、稼げてなかっただろうけど。で、そんな地雷嬢たちとは対極に位置していた元・人気デリ嬢は、

さっき泣いた時に鼻をかみすぎたせいか、鼻のアタマを真っ赤にさせて、のほほんとお茶を飲んでた。学生の頃にゴールデンレトリバー似だとか、褒められてんだか貶されてるんだか

よくわからない評価をされてたような、こんなトボけた顔した奴が、大人気だったとは…。「ヒロシ聞いてるの?」「あ、はい」

犬顔の女がなにか話してたっぽい。俺もお茶を飲んで続きを待つ。

「お客さんとカラダの向きが反対でしょう?あれって」「うん」俺の頭の中のマドカ嬢がまた四つん這いになる。

本物のマドカが放った「カラダの向きが反対」って言葉に触発されたのか

そのシーンにはマドカとは逆向きで待ち構える男が現れた。

その2人はまるでパズルの欠片みたいにピッタリ噛み合い、そしてシックスナインが完成した。

「されながら、してあげてる」マドカを、初めて上手に想像できてしまった。しかも、その部屋の片隅には、その様子をコッソリ覗いている俺がいるような気がした。 「お互い顔がよく見えないでしょう?逆向きだし」「まぁね、顔の位置遠いしね」

「んで、これならイってもお客さんに気付かれないかなって、そう思った私は…」「うん…」

「本当にイっちゃいました…馬鹿でごめんなさい」「・・・。」素早い動作で正座になったマドカが、ペコリと頭を下げた。

間髪いれずに謝罪したその仕草は、なんだかコミカルで、とても可愛らしかった。どこの誰なのかもわからない男とシックスナイン中にイっちゃったって過去を告白されて、

それでもマドカを愛しいと感じてしまった俺は、やっぱり末期症状なのかもしれない。「とりあえず、マドカもしばらく正座な」「は、はい…」

そう言ってやることが、その時の俺の精一杯の愛情表現だったように思う。「コッソリ静かにイった、ってそういうことかぁw」「はい…すいません…」俺の妄想はいつも無音だった。

ただただ静かな空間で、裸の男女が身体を重ねる。

四つん這いのマドカと、それに下からしがみつく男。想像上のマドカ嬢が、その頭を、上下に揺らしている。

客の男のモノに手を添え、その先端を口に含みながら。

その音までは、聞こえないはずだった。いつもなら。基本プレーは一生懸命頑張ってたんだって、

本物のマドカがさっき認め、俺に教えてくれたことで、何かが変わってしまった。

俺の頭の中の想像上のマドカ嬢も懸命にフ○ラをし始め、とても卑猥な音が聞こえた気がした。 客の男だってジュルジュル音を立てる。

その行為に夢中なのか、それともマドカをイかせようという明確な意思があるのか。

そのどっちなのかはわからない。それでもマドカ嬢の顔が時々歪む。その原因は、苦痛の為、ではないようだ。

集中力が途切れたかのように、ボ~っとする時間が長くなり、吐息も漏らす。

掲示板で絶賛されたはずのそのフ○ラは、やがて精彩を欠いていく。

やがて、コッソリと静かに…彼女は絶頂に達…ぎゃぁああああああああああああああああああ。

ここまで妄想した時に、俺はある事に気づいてしまい絶叫しそうになった。「マドカぁあああ!」「は、はい!」

どうしても確認する必要があった。これは極めて重要事項だ。

「もしかして、チ○コ咥えながらイったりしたの?」

俺は自分でも信じられないくらい冷静にそんなことを聞いてた。

「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアア」

そして、俺の代わりに、絶叫したのはマドカのほうだった。彼女は結構マジで悲鳴を上げた。「なにそのリアルな想像!コワイ!ちょっとコワイってば!!!」

マドカはあたふたしてた。超、焦りながら。いや、これは単なる想像ではない。

彼女が話した一連の流れを、彼女が言った「順序よく」って言葉通りに並べれば

自然とそこには、そういう光景が浮かび上がるのだから。「え?え?えええ?ど、どうだろ…?どうだったんだろ…?」マドカの慌てぶりを見れば、答えは既に出ていたようなもんだ。

それでも俺は、マドカの言葉を待つ。彼女がそれをどんな言葉で語るのか。

心臓の鼓動が早くなる。呼吸も乱れてた気がする。待ちきれなかった。「マドカ…」「え?あ、あの、ヒロシ的にはどっちがいいの…?」

俺の顔色を伺うかのように、ちょっと低姿勢になるマドカ。なんだか面白かった。

「ちょw 俺の趣味に合わせなくていいからw」「だ、だって…w」そういえば、俺を興奮させたらいいのか安心させたらいいのか、どっち?

だなんて、そんな遊び心も兼ね備えてる女なんだった。忘れてた。「正直なのがいいね」「たぶん、あんまり覚えてないけど、そ、そうだったのかな…」 「だってだってしかたないじゃん。行為が途切れたら、気付かれちゃうじゃん」

次の瞬間には、マドカは開き直って、子供みたいに言い訳しまくってた。

恥ずかしさからか、身振り手振りが大袈裟になって、なんとか取り繕おうと必死だったように思う。

俺はそんな見た目にそぐわぬ幼い雰囲気を醸し出すマドカを見ながら、楽しんでた。その日は確か、俺はジーンズをはいてた気がする。

またチ○コが反応し始め、ドクン、ドクン、って血流も感じた。

正座してたから、尚更、狭っ苦しいスペースで、そいつは猛ってた。「それにさー。私がそんな格好でイっちゃったのはー。ヒロシのせいでもある!」なんだと?苦し紛れにしては随分な言われ様。俺自身がその話にどう絡むっていうのか?「というと?」

俺は上から目線で偉そうに尋ねたのだけど、マドカのセリフに興味を惹かれたのも事実。

「あ、あの…」

必要以上に俺の関心を引いてしまい、しまった…とでも思ったのか、マドカは弱々しくなった。「ヒロシは覚えてないかもだけど…」「うん」

「大学生の時、私はけっこうヒロシに、好き放題なことをされ…」「あ…」

「いつも四つん這いでイジメられてた。だから私はその体勢でイキやすい…」「・・・。」大学生の頃のマドカは、その経験の少なさから、セクロスの時は今とはまるで違うキャラ。

今でこそSっ気が強いところを垣間見せたりもするが、当時は借りてきた猫みたいな状態。そんなマドカはとても従順で、俺が主導権を握る形の方が多かった。処女を喪失するときも、喪失したそのあとも、とにかく恥ずかしがり屋で。

電気を消して部屋を真っ暗にするとか、一緒に風呂にも入れない、なんてのは当たり前。

セクロス以外の時は、下着姿すら見せるのをいやがり、着替えすら俺には見せなかった。ただセクロスに突入すると、俺の要求にはきっちり応える素直さも兼ね備えてた。

若かりし俺は、その若さゆえに、マドカが恥ずかしがる姿や、

ちょっと嫌がったりする姿、に欲情してしまうときがあった。なかでも俺が興味を持ったのは、マドカがお尻の穴に対して過剰な反応を示すとこ。

見せない、触らせない、舐めさせない。

当然ながら、俺はそんなマドカを四つん這いにさせて、後ろから攻めまくった。

嫌だ嫌だと騒ぎ、腰をくねらせつつも、マドカはア○ルを舐められながらクリを

刺激されると、次の瞬間にはすぐにイった。それが俺のお気に入りのプレイだった。「その言い訳はちょい強引なんじゃ…w」「ほ、本当だもん…」

それがウソかホントかはわからないが、そう言われて俺が満更悪い気はしなかったって

意味では、言い訳としてある一定の効果があったかもしれない。シーンと静まり返った部屋で、マドカと俺が正座で向かい合ってた。

俺たちには共有する思い出がいっぱいあり、今2人はおそらく同じ事を思い出してる。

部屋の雰囲気が、ちょっとエ口くなってた…。「ちょっと四つん這いになってよ」「え。やだ。急に。そんなの無理」

抵抗を示すマドカの腕を軽く引っ張ると、正座していたせいもあってか、

彼女は簡単に前傾姿勢になって、両手をフロアについた。

そして、すぐに俯いて、ジッと大人しくなる。

今から何をされるのか待っているようでもあり、それを拒む気配もなかったように思う。「お客さんにもこんな格好させられたの?しかも全裸で」「はい…」

マドカは自分が今どういう役割を演じたらいいのかわかっているかのようでもあり、

言葉に語弊はあるが、サービス精神旺盛ないやらしい女って感じがした。

俺の前だけでならいいが、客の前でもこうだったのかと思うと欝だけど。「でもこれじゃお客さん、届かなかったでしょ?」

俺はわざとらしくマドカの体勢の不備を指摘し、続けざまに、

「マドカもそんなんじゃ、お客さんにフ○ラしてあげられないでしょう?」

ってセリフを口にした。自分で言っておいて、すげードキドキした。マドカの体勢は四つん這いであり、そうなるように命じたのは確かに俺なのだが、

ちょっとイジワルしたくなって、シックスナインの体勢を実際に目の前でさせてみたかった。明らかに、顔の位置も腰の位置も高い。

またちょっとだけマドカの腕を引っ張って、低い体勢にさせようとしたら、

「あん…ヒロシがお客さんの役やってよ…」

って色っぽい感じで言われた。

「だめ。俺は客観的に見たいんだ。マドカのそういう姿を…」

俺はすぐに断って、勘の鋭いマドカがすぐに低空飛行みたいな体勢になってくれた。女豹っていうのだろうか?

今にも獲物に飛びかかるかのような、すでに飛びかかって獲物を仕留めたあとかのような。

マドカはそんな印象を俺に抱かせ、この場合の獲物ってのは客だということにガッカリさせられる。実際のとこは全裸で、金さえ払えば誰もがこんな姿を見ることができたのかと思ったら、

それは残念なだけではなくて、今度は俺がマドカの体をソイツらに見せびらかしてやりたい、

っていう横暴とも思える感情を伴ってた。「マドカ、その手、なに?…エ口いんだけど」「あ。わあああー」

彼女自身は無意識のうちにやっていたのだろうけど。

その手はグーになりかけ、みたいな半端な状態で、なにか棒状のものを握ってるような

そんなイメージを俺に与えた。俺はそこに、誰のものともわからないチ○コの幻を見た気がしたよ。

「ちょっと…これはちがうの…あはw」マドカは笑って誤魔化そうとしてた。その幻と俺のモノを入れ替えたくて、膝歩きで2~3歩マドカに近付く。

その日のマドカはちょっと胸元がラフな洋服だったから、露わになった胸の谷間にいきなり手を突っ込んだ。

俺の指先がマドカの乳首に到達するのと同時くらいに、マドカが俺のジーンズのジッパーに手をかける。「終わり終わり…」「えー」

正座してたせいで足が痺れてて、それどころじゃなかった。これ以上は無理だった。

まぁ、このままセクロスに雪崩込もうとは思ってもいなかったけど。まだ仕事が残ってたし。お互い、足を崩して、休憩を兼ねてトイレに行ったり、携帯のメールをチェックしたり、

そんなことをした気がする。「あれ~?ノートなくなっちゃったw」「は?それ明らかにワザとだろw」俺が元の場所に戻ってくると、マドカが冗談っぽくそう言った。

さっき泣いた時に大量に消費したティッシュの山で、テーブルの上は埋め尽くされてて、

ノートは全く見えなくなってた。もちろん、それはマドカの意図的なものであったが。ティッシュを片付けたマドカが、読みかけだったノートをパラパラとめくり始める。

その光景は、今日何度か目にしていたが、ちょっとだけ違和感を感じた。

その手の動きは、ページを後ろに戻す動作ではなく、先のページへと進む動作だったからだ。マドカは、俺たち2人が既に読み終えた後ろのページへ戻ることはあったけど、

先のページを自分だけが確認するというような行為は、今日ここまで一度もしてなかった。「そろそろ本番しちゃうかもしれない…」

マドカが静かにそう言った。その言葉は俺の心に突き刺さったけど、しちゃうかもしれない、ではなく、確実にするし、

むしろ、とっくにし終わっているのだ、という可笑しな点にも気付いた。

マドカも自分のセリフに違和感のようなものを感じたらしく「ノートの中で、って意味ね」って付け足す。俺にとってはその言葉こそ違和感アリアリで、ノートの中のマドカは間違いなくオマエが記録として

残したマドカであり、ノートの中でヤったってことは実際にヤったってことだろが!って思った。思っただけで口にはしなかったけど。

その怒りの感情は、ここにきてまだ俺には覚悟が足りてないってことを意味してて、緊張してきた。「いいよもう、そのページ見ようよ…」「う、うん…」

マドカは少しだけ躊躇するような動きは見せたけど、俺の前にノートを差し出した。

マドカは黙ってた。とりあえず見てください、ってそう言ってる気がした。見開きのその2ページには、6人の客が管理されてあり、パッと見、真新しさはなかった。

『本番↑』とか、そんな記号があるのかなって想像してたので、すぐにそんな記号が目に飛び込んで

こなかったことに安堵を覚える。「本番したってこともちゃんと書いてあるの?」「うん…」

マドカがそう答えたので、ジックリと隅から隅までノートを見渡してみる。顧客管理ノートっていうくらいなので、書いた本人ではない俺が読んでも、その日何があったのか

ある程度読み取ることができる。

『リピーター』が2人、その日初めて呼んだ客、いわゆる『新規』ってやつが4人。計6人。本番しちゃうような相手は当然リピーターであり、

リピーターであるならば当然金にも心にも余裕があるって客層であり、

金にも心にも余裕があるって客層なら当然ロングコースだろう。そんな思い込みから、俺はまず選んだコースに注目した。

案の定、リピーター2名は120分。『フェ↑パ↑』『フェ↑↑』って記号に目を奪われる。2回ずつマドカにイカせてもらったっぽい。

そして、それぞれ『↓』『↓』の記号もあったので、マドカもイっちゃったらしい。まぁ、それはしかたがない。俺の頭の中ではけっこう整理がついてて、本番しちゃうような相手とは

その行為に至るまでも濃厚なプレイを経ているのだろうと思っていたもので。

本番以外でもイカせてあげたりイカせられちゃったりってのは、当たり前のようにあっただろって諦めてた。まぁ、それが既に、俺の思い込みであったのだけど。残り4名の『新規』の客は、60分、50分、80分、100分、って感じ。

100分を選んだ客以外は『↑』の矢印が1つずつ記入され、『↓』の記号はどこにもなかった。

それぞれ、この回で『NG』に登録したという表記もなく、可もなく不可もない客って印象だった。それならやっぱり、リピーターの2人のうちどちらかなのか?って見直そうとした時に、

「あ、ゴメン。このページには書いてないや。でも、このページに初めての相手がいる…」

ってマドカが言い出した。「え?どういうこと?やっぱ本番したとは書かなかったってこと?」「いや、書くけど…」

「ん?w ますますわからんw 記号で書いてある?」「いや、あとで教える…けど」その勿体ぶったかのような言い方は、ワザとなのか素なのか、俺を焦らす。

「どの人か、当ててみて…w」この言葉でトドメを刺された。

この6名のうち誰かにマドカがヤラれてしまうというのに、俺はなぜかゲームをしている

かのような感覚で楽しんでた。マドカのコメント欄に注目する。

リピーターのうち一人には『いつも通り』って、ただ一言。

この『いつも通り』というコメントはこれまでも何度か目にしてて、文字通りの意味。

リピーターであり、前回と同じような感じで、今日も帰っていきましたよ、的な意味である。

もし『本番』があったなら、その時点で『いつも通り』ではないはずなので、コイツは除外。そんな感じで残りの5人も確認していく。

客全員にマドカがコメントを残すわけではないようで、6人中コメントがあったのは4人。

『いつも通り』『面白いおじさん』『酔ってた』というコメントをサラッと流し読んで、

俺の視線は最後の一人に注がれた。100分コースを選び、唯一『↑』も『↓』も記入されていなかった客だ。

しかし、マドカの残したコメントは『また明日呼ぶと言われたどうしよう・・・』という異質なものだった。『また呼ぶと言ってもらえた』というコメントならば、それは、ハッキリとは明記しないものの

当時のマドカ的には喜びや嬉しさ、あるいは安堵を表しており、前向きなコメントのはずだ。

しかし『どうしよう・・・』という言葉を付け足してあるのは、不安や恐れであり、

また呼ばれるということに対してマドカがネガティヴな感情を抱いたという表れ。

ただ、不思議なことに、その日コイツをNGに登録したとの記載はどこにも無かった。「このヒト…」「うん、そのヒト…」「え?」「あれ?」

俺の言葉には続きがあって、「このヒト、何もしなかったの?」とか、俺はそんな事を

マドカに質問する予定だったのだと思う。

それをマドカは、俺が答えを言い当てたと勘違いし、本番の相手がソイツであると自白した。「あら?発表しちゃったの?」「あ、すいません…」

メインイベントとでも呼んで然るべきその瞬間は、あまりにも唐突に訪れ、拍子抜けだった。ただ、あまり焦らされなかったぶん、俺は冷静で、すぐさまその客の分析を始める。

が、年齢が『30代半ば』って書いてあるだけで他に特徴らしい特徴は書いてない。「そのヒトは…、出張で他県、っていうか結構遠いとこから来たヒトで…」「うん」マドカがポツリポツリと話し始める。

その内容を裏付けるように、客の車のナンバーが「わ」から始まるものだった。

俺の知識が正しければ「わナンバー」はレンタカーであることを意味し、その大半は

ビジネスマンや、旅行客。その土地以外から遥々やってきたというのも嘘ではないだろう。「スーツ着てるサラリーマン。よく喋る人だったな。話上手な営業マンって感じ」

話上手で、しかも床上手ってか?w なんてそんなくだらないことが思い浮かんだ。きっと相手はリピーターだろうっていう予想、まぁ思い込みによる勘違い予想ではあったが、

それに反して相手はその日初めて会った新規の客だった。

コイツが選んだ100分っていうコースを考えてみれば、100分以内にマドカをセクロスまで

持ち込んだ男なのだ。ぶっちゃけ、そのスピードだけを比べたら俺より早いかもしれない…。「このページに初めての相手がいる…」っていうマドカの言葉も、俺は忘れちゃいなかった。

初めての相手は俺のはずなのに、っていう嫉妬はもちろんあったし、マドカもそれを忘れるわけはない。

それでもマドカが初めてっていう言葉を使ったのだから、それはやはり、コイツも特別な何かを

マドカに感じさせ、マドカをその気にさせた初めての客だったのだろうか…。どうしようもなく不安に駆られた。この日2回目のチ○コ萎え萎えである。「く、口説き落とされちゃったの…?」「違うから。そんなんじゃないから。たぶん…」

否定するなら完全否定で頼むわ、たぶん…って一言が余計に存在感ありすぎる。「このヒトはさ、すごーく風俗慣れしてる感じでね」「は、はい…」

「部屋に入って行った私を見るなり…」「襲いかかってきちゃった…?」

「馬鹿だな。慣れてる人は逆にそんなことしないからw」「ああ、うん」ってことは、そのまた逆に、襲いかかってくる人もいたかのような言い回し。

ただ、さすがにそれはなかったけど、真っ暗な部屋で全裸で待ってる客は多数いたそうだ。「部屋入った瞬間、私のことを超ベタ褒めなんだよ、超!w」「ふーん…」

「身長高い娘が好みらしくて、ドンピシャだって言いまくりだったw」「へぇ…」

「んで、コース決めて、料金もらって、そのあとに」「そのあとに?」

「マドカちゃんさ~、あといくら追加したら最後までOKなの?って」「え…」

「まるで世間話するみたいに、アッサリ言われたんだよ。ビックリしたw」「ほぉ」マドカから聞いてたけど、ほぼ8割くらいの客が「ヤリたい」的なことは言うらしい。

それを言わない残りの2割は、ハナっからプレイ無しの客か、フ○ラ好きで口内射精こそが

目的であるという客。俺的に口内射精はすごく嫌だが、ある意味、一番正しい客。

そんなフ○ラマニアな客も、リピートを繰り返すうち、素股中に「挿れちゃだめ?」って

言ってくるらしいので、実質9割近い客から「ヤリたい」と言われたらしいのだが。マドカも最初は戸惑ったらしいが、どうも半数は冷やかしというか、

言うだけなら無料だし駄目でもともと!って感じで言ってる客が多いようだと気付く。

テキトーにあしらうスキルは元々ありそうだし、そのへんはウマく躱していたようだ。そして、マドカのデリ嬢としてのプレイが向上すると、フ○ラやパイズリ、素股で簡単に

イってしまう客が増え、しつこく本番を要求する客が減っていく。

もちろん、即刻NG登録で、もう二度と顔を合わせることもない客が増えたってこともある。それでも、マドカが厳選したリピーターの中にも、やはり本番したがる客は常にいたらしい。

しかしマドカのテキトーにあしらうスキルも向上し、たいして困ってはいなかったと言う。それに「コイツとはヤラなくてもいいわ」って思われるよりも、

「ぜひともコイツとヤリたい」って、そう思われる、否、そう思わせるのがデリ嬢の仕事なのだ

という自覚が芽生えていくらしい。「ヤリたい」って言葉はある意味、自分への評価。

リピーターも、いつかヤレるんじゃないか、ってそう思ってるに違いないし、そこを逆手に取る

のが今の自分の商売である、という明瞭な思考回路でバッタバッタと客を捌いていたらしいのだが。「なんの遠慮もなしに、極普通の事を言いました、みたいな顔でさ」「うん」

「そんなヒト、私、初めてで。なんか他のお客さんは、もっと遠慮気味に言うしw」「まぁ…w」

「あまりにも堂々と言うんだよ。私も堂々と断れたんだけど、最初は」「うん」本番を断るのは意外に簡単だそうで。

ヤリたいなら最初からソープへ行ってください、と事務的に言う。

え?ヤルわけないじゃないですか何言ってるんですか?っとキョトンとしてみせる。

だめですぅうう、お口で我慢して(ハートw 的に逆に優しく扱ってあげる。

この3パターンで、大抵の客はあしらえる場合が多かったらしい。

ただ、断るのは簡単だが、そのぶんフ○ラや素股などの通常プレイで満足させないといけないわけで、

あんまり冷たくあしらったりすると、通常プレイに余計なプレッシャーとなってしわ寄せが来るらしい。

そう感じたマドカは更なる努力を惜しまず、やがてテクニシャンと評価されるまでになるのだが…。厄介なのは、デリヘル=本番アリ、だと勘違いしてたり思い込んでる無知な客や、

素股中にチ○コの角度を調整して挿入しようとたくらむ客、たくらむどころか強引に

挿れようとする客。

即刻プレイ中止で、店に電話、数分後には強面のお兄さん登場というパターンも年に数回あるらしい。

マドカは幸い、そこまでひどい客はいなかったらしいけど。「そっから1時間以上ずぅううっと、褒められ続けたwww 逆に苦痛www」「www」

「特に身長は絶賛されましてw コンプレックスだというのにw」「なるほど」確かにマドカは身長に対してコンプレックスがあって、そこを褒めるのは諸刃の剣でもある。「時間も半分以上過ぎてたから、私もちょっと焦ってきてしまって…」「うん」

「残り40分切ったくらいのとこで、上だけ脱いだ」「うん…」

「そしたら、お○ぱいも褒められちった…(〃ω〃)」「なんか、ムカつくんだけどw」

「なんか身長だけで選んだらしく、私がお○ぱい大きいって知らなかったみたい」「ははーん」それ聞いて、コイツは猛者だと思った。マドカが言う風俗慣れとかいうものじゃない。

明らかに女慣れしてる。そして、身長だけでマドカを選んだと言うのもおそらく嘘だろう。ソイツは、星の数ほど呼ばれたであろうお○ぱい目当ての客と、自分とを、明確に差別化したのだ。俺はマドカちゃんのお○ぱい目当てではない。他の客と一緒にしないで欲しい。

現に、今の今まで、君のお○ぱいが大きいってことすら知らなかったじゃないか。おそらくはそんな感じで、ソイツの思惑通りに、場面は展開していたのだろうと思う。「元々お○ぱい大きいって知ってたと思うぜ?」「え?そうかな…」

「間違いない」「でもすごいビックリしてたよ、ええー!?って感じだったし」

「念入りに下調べしてたってば」「えーそんなことなかったと思うけどなー」マドカはわかっちゃいない。コンプレックスを逆手にとった常套手段じゃないか。

商売道具で武器であるはずの胸よりも、コンプレックスである身長を高く評価してみせたのだ。

まして、今までは誰もがソレ目当てにやって来てたはずの、マドカのお○ぱいを、

あたかも直前までサイズすら知りませんでした、と言われたのならマドカに与えた影響は大きい。「そういや、身長に関して何か言うお客さんは、多かったの?」「いたねー」

「どんな感じ?」「予想以上に大きいね、とか、低すぎるよりはいいよね、みたいな」

「ふーん」「まぁどう言われようが、ワタシ的にはデカすぎでごめんなさいって感じだったけど」

「じゃ、この客は?」「まぁ褒めてくれるのは嬉しかったよ。ホメ殺しなのは見え見えだったけどw」そう、まさにホメ殺されるのだ。そして口説き落とされるのだ。

マドカは否定するだろうし、俺もそこをしつこく追求するつもりはなくなってた。

なぜなら、客からうまいこと口説き落とされてセクロスに持ち込まれるマドカ、ってやつが、

俺の中でツボにハマり始めてたから…。なんかそれって凄いエ口い…。

マドカはこの客の話をするとき、やけに笑顔を見せてた。それ見るたびにチ○コがズキズキした。それにマドカ本人は、自分は口説き落とされて本番したわけではない、

っていう揺るぎない自信も確実に持っていたと思う。

しかし、それもこの男によって、上手にコントロールされた上で、与えられた偽物の自信なのだ。一般論で考えれば、女だって、自分が誰にでもすぐ股を開く女、

だなんて思われたくないし、自分でもそうじゃないと思いたいはずなのだ。

そこに愛があれば一番理想なのだが、残念ながらセクロスなんて半数以上はそこに愛なんてない場合が多い。そして愛などあるわけもないデリ嬢と客の関係ならば、ヤルとすれば明確な理由が欲しいのだ。

言い方を置き換えれば、簡単に口説き落とされてしまったわけじゃないもん!、という逃げ道が必要。

口説くほうの側が、その逃げ道を作って準備してあげれば、女としてもとっても気が楽なのだ。酔ってた。相談に乗ってもらってるうちについつい。寂しかったの。

もしかすると色々と聞き覚えのある、そんな言い訳もあるだろうと思う。しかし、この場合は金だ。生々しいが、現金を稼ぐためだという言い訳を、マドカは選ばされるのだ。

彼女自身は自分で選んだつもりでも、それは巧妙に最初から仕組まれていたのだ。 「3万円ここに置くからさ、って急にそのヒト財布からお金出したの」「へぇ…」マドカは「急に」なんて言い方をしたが、それは決して「急に」ではない。

後出しのように見えて、先出しの金だ。最初にセクロスはおいくらですか?と聞いてもいるし。「さっきホテル代前払いしたから、今払えるのはこれが限界だって…」「うん…」この時点で俺は、その3万円の価値がわかっていない。

それが本番をするための追加料金として適正なのかすらも。

そもそも相場がわかってなかったもので、比較対象がなかったと言える。「その時点で残り何分くらい?」「20分切ってたと思う。もうシャワー浴びてもおかしくない時間」

「え?それってプレイ後のシャワーって意味だよな?」「もちろんそう。このときは最初のシャワーもまだ」おかしい。プレイ時間で考えれば、もうたかが数分のはず。メチャ…早漏…なの…か…?ソイツが部屋を去っていった、ってとこまで聞いて、タバコに火を灯す。

マドカの部屋では極力吸わないように、吸うとしても換気扇の下で、って決められていたのだが、

この時は堂々と煙を吐き出した。マドカもそれに関して、何も言わなかった。どうしようもない焦燥感。

言うまでもなく、マドカがとうとう一線を超えてしまうことに対して。

そしてそれを詳細に知ることができるってことに興奮を隠せない自分への焦り。と、同時に心のどこかで安堵。

その日初めて会った男が100分以内にマドカをセクロスまで持ち込んだわけじゃない、

ってことで俺のプライドが辛うじて保たれたかのような、そんなくだらない感情。ページを先に進めようとするマドカを制して、タバコを根元まで吸い尽くした。「次の日休むとか、ソイツをNGにしちゃうとか、そういう選択肢はなかったの?」「・・・。」

マドカはすぐに口を開くことはなく、そうなることはなんとなく俺もわかってはいた。

「金か…」「うん…」

ここで言う「金」とは、2種類の意味があったと思うんだ。ひとつは、1万円札3枚がマドカの手元にあるという事実。

もうひとつは、マドカが目標金額を稼がなければいけないという現実。

はたしてマドカがどっちの意味で返事をしたのかは、今でも俺にはわからない。マドカの手元には、前夜3枚の紙幣が残っていたわけで。

その金をきっちり突っ返してさえいれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。時間はかかるかもしれないが、マドカ嬢のうなぎ昇りの人気を考えれば、

基本プレイと正規の料金だけで、目標金額を達成するのは間違いなかっただろうに。そして「金か…」「うん…」って言葉のやりとりには、

俺をジワジワと興奮させるもう一つ裏の意味も、2種類、隠れていることに気付いていた。ひとつは、マドカの返事が、手元に残った3枚の紙幣という事実を指しての返事だった場合。

マドカの懐に納まるのか、あの客の財布へと返却されるのか、その行方が気になるところ。

その行方は、いわばマドカの心の行方であり、マドカ嬢としての今後の在り方に直結する。あの客をNGにしなかったのは、NGにしたらお金を返す機会をも失うと考えた?

次の日も休むことなく出勤し、あの客の待つ部屋へと再び足を踏み入れたのは、金を返すため?

ロクにプレーもせず帰ってしまった客に、せめて今度は満足を与えなければと使命に駆られた?

それとも…?

きちんとした話し合いと手順を踏まえた上で、3万円を受け取るためにもう一度会いに行った?

それはつまり、ハナっから抱かれるつもりで会いに行ったわけで、それはそれで…微妙に…イイ…。いやダメだろ…。もうひとつは、マドカの返事が、

目標金額を稼がなければいけないという現実を指しての返事だった場合。

これはとてもわかりやすくていい。より効率よく短期間で金を稼ぐための手段として、本番、も選択肢の一つに加えたのだ。

その客との出会いにヒントを得て、マドカなりに一晩考え、そして全てを覚悟したのだ。

そこには、デリ嬢としてというより、ひとりの人間が生き抜くため並々ならぬ決意をしたという、

勇ましい姿すら感じ取ることができる。まぁ、違法ですが。俺はそんなマドカが嫌いではない。アレコレ気にすることは多々あるが、最終的には好きなのだ。前者も後者も、そのどちらでも、マドカは本番するようになるのだ。

そしてもう全てが終わったあとなのだ。俺がどうこう言う機会も与えられる間もないままに。

結局のところ、マドカが一番苦しかった時期に、俺の出番がまったくなかった事が一番悔しいのだ。「次のページで?ついに?」「いや、次の次のページだった…」

そう言ってマドカは、次のページを俺に見せてくれる。

さっきのページと同様に6名の客。しかし今度は全員がリピーターである。

特に気になる客はいない。『↑』が4つ記入されてる客がいたけど、もはや雑魚にしか見えない。「ちょっと待って心の準備するから」「はい」

1日に一体何人の客を相手にしてんだよ、とか。

さっきまでの俺ならたぶんそういう事を気にしてたと思う。

でも、不思議と、それすら俺の心を乱すことはなくなってきてる。お客さんをイカせた回数、その日に相手をした客の人数、そんなことはもうどうでもいい。

ましてマドカ自身が本気でイってしまったかどうかなど、取るに足らないことのように思えた。「いいよ。次のページ、見ようじゃないか」「はい」

ページをめくるマドカ。開かれたその見開き2ページ分のスペースは、ほぼ白紙だった。

「なにこれ、あぶりだし?w」「ちょっとw 私すごい緊張しながら開いたのにw」いやそれは俺も同じだけど。

左側ページの上段に、その日7人目の客のことが書いてあって、ただそれだけだった。

もちろんソイツは、前夜マドカをあと一歩のとこまで追い詰めた、アイツである。

やはりその夜も「わ」ナンバーの車で現れ、100分という時間をマドカと共に過ごしてた。「えっ!?3回もっ!?」「!?」

俺の震える指先が指し示したのは初登場の『3↑』という表記。

マドカが慌ててノートの向きを自分の正面へ調整し、マジマジと見つめてた…。「…これ金額だから。回数じゃない」「そか…」

マドカが冷静な一言を放ち、また俺向きにノートを差し出す。

ただ、そこから読み取れる情報は、もうほとんど無いに等しい。

記号は『3↑』のみだったし、マドカのコメントが『もうだめだ』と一言あるだけ。「結局3万円でOKしたってこと?」「OKしたっていうか、いつの間にかそうなってたというか…」

ちょっと煮え切らないマドカに腹が立つ。無理矢理ヤラれたとは考えにくいし、

いつの間にかそうなった、ってのは恋人同士がさも当然のようにセクロスしたような言い方だ。「どっちにしたってヤったんだろうが…」「うん、ごめん…」

マドカの謝罪の言葉を引き出したいワケじゃない。むしろ謝罪などいらない。

「話せそう?いやならべつに…」「大丈夫。ヒロシ聞きたいでしょ?」

マドカは俺を見つめて不敵な笑みを浮かべる。けっこう肝が座ってるところがあるのだ。「私は、特別意識しないで、いつも通りに部屋に入って挨拶から始めた」「うん」

「○○から来ましたマドカと申します。よろしくお願いします。って」「はい」

「そして3万円を取り出してテーブルの上に置いた」「ほぉ」

「手渡しても受け取らないのはわかってたし、」「だろうね」

「とりあえず私の手元にない状態にしたかったから、ただその場に置いた」「うん」

「んで、何分コースなのかを聞いたの、マニュアル通りに」「うん」

「その3万円をその料金に充ててもらって、何もなかったことにすればいいと思ったし…」なるほど。特別おかしなところはない。

いきなり、この3万円はお返ししますし本番もしません、だなんて、

自ら本番に関する話題を持ち出さなかったところもマドカらしくていい選択であったのだと思う。

ただ、相手が悪すぎたのだ。マドカの敵う相手ではなかったのだと俺は悟ってた。「前夜と同じ100分コースで、私がお店に電話で伝えてるあいだに」「うん」

「その分の料金をそのヒトもテーブルに並べてた」「うん」

「私の電話が終わるのを見計らって、お風呂入ろうって言われたの」「へえ」

「それは当然のことだし、私の意思で断れるものでもないし」「うん」

「まぁ、普通に一緒にお風呂に入ることになりました…」「はい…」前夜と比べて、展開が非常にスピーディー。

まさかお風呂でヤっちゃったのか?その場合…コンドーム…は?とかそんな不安が芽生え始める。「お、お風呂でしちゃうの?」「え?しないよ?」

マドカの手が伸びてきて、カチコチになってる俺のチ○コを摘んだ。

「もぉ、先走っちゃダメでしょ?」「は、はい… (´Д`)ハァ…」

そのまましばらく弄られた。俺はじっと大人しくしてて…それがすごくイイ感じだった。「それでね?」「う、うん」

マドカは表面上は冷静さを保ってて、俺の性癖を十二分に意識してるようにも思えた。

「話を聞いたら、出張4日目でまともにまだお風呂に入ってなかったらしく」「うん」

「頭がかゆい、とか言っててw」「ふ、不潔だなオイw」

「いやいや自己申告するだけマシw もっと不潔なお客さんもいるしね」「そうか…」

「だから、体はもちろんだけど、頭も洗ってあげたんだ」「へー」

「シャンプーしてあげると喜ぶお客さんって、意外に多くてさー」「わかる気もする」

「実はそういうのが、私が美容師になった原点だったりするw」「まじかw」金にも心にも余裕がある客層は、ヤることヤったら、あとはのんびりするらしく、

最後に浴びるシャワーでシャンプーするのが定番になってた常連もいるらしかった。

まぁ、家庭持ちの客もいて、匂いや、髪型の変化など、気を遣う部分も多かったらしいが。

ラブホに「無香料」のボディシャンプーなんてものがある、その意味がわかった気がした。「そのヒトは私の体も洗ってくれるんだけど」「洗いっこ?」

「洗いっこ、ではない。洗ってあげたあと、洗ってもらった」「へ、へぇ…」

「嫉妬ですか?w」「はい嫉妬ですw」

お風呂で泡だらけになりながら洗いっことか、ちょっと嫌な感じ。

どちらかが一方的に洗うのであればOK。これはシックスナイン同様に、客との共同作業への嫌悪感だ。

マドカがハッキリと「嫉妬?」って確認し、俺も素直に「そうだ」と答えたことで、逆に気が楽になった。「まぁ私の体、っていうかお○ぱいを触るのが目的で洗いたがるお客さんはいっぱいいて」「うん」

「最初のお風呂でいきなりすぐパイズリなんてパターンは多いの」「(;゚д゚)ゴクリ…」マドカのそういうセリフは、勿論、自分がデリ嬢として客相手にどういうことをしてきたのかを

俺に正直に伝える意味もあっただろうけど、ちょっと俺を興奮させイジメようって意図も見え隠れする。「お風呂で速攻イカせてあげたりとか…?」「それを望まれれば、そうしてあげた」

「フ○ラも…?」「手段は問わず! (キリリ」

「え?じゃやっぱりお風呂でいきなり本番しちゃうことも…?」「ん?」

やはり、浴室でそうなった場合コンドームはどうなるのだ…って、そこが気になってどうしようもない。「私は、髪が濡れるようなことはしたくなかったから」「う、うん…」

「お風呂の床に寝っ転がるのもやだし、そんなとこで四つん這いはもっとイヤw」「うんw」

「指摘される前に言っておくけど、立ちバックはヒロシしか無理」「あ、はい」

「重たい私を抱っこで持ち上げてエッチ…なんてのもヒロシだけ」「てへへ」

「ってことで、基本的にお風呂で本番は、しませんでした」「基本的に…?」

「例外、はある。それにヒロシが何を心配してるのかも私にはわかってる」「はい…」

「だからそれは後でちゃんと教えてあげるねw」「あいw」とりあえず、マドカはノートの男に決着を付けたいようだ。俺は、微妙だったけど。ソイツはマドカにとっても俺にとっても、特別なんだ。

例えばマドカ嬢が合計10000人の男とヤルとしても、残りの9999人に比べてそいつは別格。

9999人の男たちとは惰性でもヤレるけど、1人目に関しては、マドカ嬢自身の意思大きく絡む。また、初めてのソイツが特別だとすることによって、

処女を奪った俺こそが真の特別な男だと、俺はそう思いたかったのかもしれない。「私も体を洗ってもらうわけですが」「はい」

「大抵のお客さんはお○ぱいモミモミし始めたり?」「うん…」

「アソコを弄ってきたりもするのですが?」「う、うん…」

「そのヒトはやけに紳士的で、大事なとこは自分で洗ってね、とか言ったんだ」「ムカつく」

「え?そう?なんで?触ってこないのに、それはそれでダメなの?」「まぁいいから」マドカは、俺の気持ちを、いや男心をわかってるようでわかってない。「それにさ、前の夜、私をあれだけベタ褒めしてたくせに…」「うん…」

「裸になった私を見ても、なーんも言わないの」「ふーん」

「私としては、超焦ってたよ」「なんで?」

「デブがバレちゃったとかw 気が気じゃなかったw」「いやデブじゃねーし」ソイツの言動から、押してダメなら退いてみろ、とか、アメとムチを使い分ける、とか。

俺の頭の中には、そんな言葉が浮かんできて、男の駆け引きに翻弄されてるマドカが想像できた。

ソイツのやることなすこと、すべてがムカつく。まるで大学時代の俺じゃねーか。「で、歯を磨いて、消毒液でうがいしてぇ」「うん」

「けっこうゆっくり浴槽にも浸かって、全部で30分くらいかなぁ」「はい」

「そしてベッドに行きました」「しかたない」

「そこからの私は…けっこう張り切ってたと思うんだ…」「ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!」 「いやいや、ちゃんと話を聞いてよw」「あいw」

「とにかく、そのヒトが本番がどうとか言い始める前にね」「うん」

「パパッと終わらせたかったんだ、私としては。わかる?」「はい」

「なんとなくガッつくタイプじゃないのはわかってたし」「だね」

「1回抜いてあげれば、2回目、3回目はないんじゃないかって…」「ぶっw」マドカの話は聞いててとても面白かったし、興味深くもあった。

でも、それらは全て、マドカの思惑通りにはいかなかった、ってことも

結論としてわかっているわけで、俺が笑ってしまったのはそういうとこ。「ヒロシなんで笑ってんの?w」「いやw ちょとツボった」

「え?私の考え方おかしかったかな、やっぱりw」「いやそういうことじゃなくw」俺が笑ってしまった理由はもうひとつあった。「抜いてあげる、ってw」「あ、やばいw 変な言い方しちゃったwww」

「今日その言葉、初めて使ったね」「いや、なんとなくこの言い方は苦手でw」

「いや、エ口くていいw ガンガン使ってw」「ちょっと変なとこで興奮しないでよw」俺の先入観だけど、「抜く」って言葉はあまり女の子は使わないような気がしてて、

それがマドカの口から唐突にポーンと飛び出してきたのが面白くも悔しくもあったw「じゃ、あとでヒロシのもいっぱい抜いてあげるからwww」「うぃうぃwww」それと風俗業界じゃ、お客さんを数えるのに、1人、2人、って単位じゃなくて、

1本、2本って、数えるんだってマドカが教えてくれた。

それって明らかにチ○コの数で数えてる気がするけど、開き直ってていい感じだよね。「それでね、ヒロシ。こんなことを言うのもアレですが…」「うん…」

「私は仕事にも慣れてきて、その、なんと言えばいいのか…」「はい」

「結構テクニックが…磨かれてきてしまいまして…」「あ、自覚あったの?w」

「うんw だって上手だって褒めらることが多くなって」「うん」

「実際、簡単に終わっちゃうお客さんが増えてもいたし…」「ほぉ」

「でも1回で精一杯だったお客さんが2回、3回求めてくるからさ」「うん」

「ああこれは、イったフリ同様に、ヘタクソなフリも必要だって思い始めてたwww」「www」そうだね。マドカはきっと一生懸命過ぎたから、そこにつけ込まれることも多かっただろう。「だから、そのヒトも割とアッサリ終わらせる自信があったの…w」「自信家www」

「でも全然ダメでしたぁあああ (´;ω;`)ウッ…」「・・・。」 「なにがどうダメだったの?」「わかんない、とにかくダメだった…」

「勃起すらしなかったの?」

いやそんなわけない。その日は最終的に挿入までするのだから。

それに、チ○コそのものが反応しなかったわけじゃないってことを、

マドカもブンブンと大きく首を左右に振って否定する。そのあとで、

「ビンビンでした…(ボソッ」

って、付け足した。

「さすがテクニシャンwww」「馬鹿にしてんのかwww」皮肉も込み、で俺は笑ってたけど、これは一番嫌なパターンだなって感じてた。

こうなってしまうと、マドカはただひたすら頑張るしかない女だ。「まぁ。当時の俺は、マドカがそんなことになってたなんて知らなかったし」「うん」

「許すとか許さないとか、そんなことを言う権利はないよね、最初から」「そう?」

「うん」「私はヒロシにこそ許して欲しいし、今のヒロシだからこそ許す権利があると思うんだけどなぁ」

マドカは悲しそうで、それでいて俺に甘えるような素振りを見せてた。俺の知らないとこで、俺に似た雰囲気を持つ誰かが、マドカを抱こうとしてる。

マドカも満更でもないような、そんな状態になりつつある。

一体俺に何ができたっていうのだろうか。全く底の見えない無力感が俺を悩ます。それでも先に進む。もう終わりも見えてきた。

「まぁ、話は最後まで聞こうじゃないかw」「はい、そうですねw」

終わりの向こう側に何が待っているのか、もう俺にはわからなくなってた。「んじゃ、えっとぉ…w」「なに、なんか企んでるような…その顔w」

「エッチしちゃってもいいですか?そろそろ?w」「偽ヒロシとか?wどうぞwww」

「偽ヒロシwww まぁそうだね」「ムカつくが、一応そう認めてやる…w」俺は、自らソイツを俺の偽物だって認定することで、

俺こそが本物って、そう主張したかったのかもしれない。

そしてマドカにとっても、ソイツが俺と似てたってが、ある種の救いになってたんだと思う。いつの間にかマドカが『本番』じゃなくて『エッチ』っていう言葉を使い始めてて、

なんかソレがすごく気になってドッキドキしてきた…。ラブラブな響きがすごく嫌なはずなのに。「さっきシックスナインまで話したよね?」「うん…」

「うーん、何か忘れてるなぁ…」「まだなんかあんのか…よ…」

「あ!素股するんだ私。スマタスマタ!」「カワイイ感じで言ってもダメw」

マドカはもう、勢いにノってる感じで、俺なんかよりずっと楽しんでる気がした。「ってか、まだ諦めてないのかよ」「え?なにを?」

「偽ヒロシをイカせることを…」「は?当たり前でしょ?なに言ってんの」

「え?なんかもう本番してもいいや、的な感じなのかと…」「んなわけない」ここにきて、本番することに対して積極的な自分、を否定するマドカ。「私は、ヒロシと似てるかなっとは、思ってたけど」「うん」

「だからといって、そんな簡単にするかよ!!!」「だって、さっき…」

「なに?」「心のどこかでしてもいいかなって思ってた、って言った気が…」

「それは、今、思い返せばそうだったかも、って話だ!!!」「はい…」

「当時の私は、まだまだ諦めちゃいねーんだよ!www」「ですかwww」本心なのか、俺を気遣ってそう言ってくれてるのか、もはやよくわかんない…w「あのね?私は、実は、素股が、一番得意で…」「ほぉ…」

なんか意外な感じ。掲示板で素股を絶賛してた奴はそう多くなかった気もする。

それにここまで目にしてきた『↑』も圧倒的に『フェ』とセットで登場してた気もしてた。「素股ってわかる?わかんないよね?」「いや、なんとなくわかる」

「騎乗位素股は?」「よくわかんないけど、凄そうな気はするwww」「お客さんの上に、私が乗るんだけど」「騎乗位だもんね?」

「うん。最初はね、重くないのかなぁ、ってすごく不安で」「うん」

「あんまり得意でもないし、なるべくならしたくないプレイだったわけ」「へー」

「ただ、素股マニアな常連のおじさんがいてw」「マニアかよw」

「うんw その人は、本番させてとか絶対に言わないんだけど」「うん」

「素股に関しては、とてもウルサクてwww」「熱心に指導されたわけですね?」

「あいw そして私は苦労の末に、必殺技を完成させましたw」「必殺技www」

「マドカスペシャルって私は勝手に呼んでたw」「名前付きかよw」そうやって笑うマドカを見ていて、俺はすごく安心した。

マドカにとってデリ嬢時代は黒歴史だろうし、まさに暗黒時代だったと思ってたから。

どんなツマラナイことでも、そうやって笑ったりすることもあったならば、

少しは気が紛れたこともあったのかな、ってそう感じることができた。「ヒロシ笑ってるけどさ、マドカスペシャルすごいんだぞ?」「へーw どんな感じ?」

「うーん、まさに秘密兵器って感じ?」「なんかいよいよ凄くなってきたw」

「ただ、私に、その秘密兵器を出させるほどのお客さんはあまりいなかった」「へ?」

「その前に、フ○ラでイっちゃう人ばかりだったから…w」「ちょw 秘密のままかよw」なるほど。掲示板で絶賛されることなく、埋もれていった幻の技ってところか…。

それは同時に、その技を披露することなく本番になってた、ってことも意味するのだろう。「私はソレで本当に一生懸命頑張ったんだ…」「でもダメだったんだろ?」

「(´;ω;`)ウッ…。それを言っちゃおしまいだ」「ちょw わかりきってることじゃんw」

「なんで?」「ノートに書いてないからだろwww なんでってw 馬鹿かおまえはwww」それでもマドカは、ちょっと悔しそうにガッカリ落ち込んでた。「私はもう本当に精も根も尽き果てるって感じで」「うん…」

「寝せられて、そのヒトが勝手に正常位素股をしてる感じだった」「勝手に?」

「勝手にっていうか、まぁ、もともと拒否することは出来ないけど…」「そか…」素股の話で盛り上がってたマドカはもうそこにはいなくて、別人みたいになってた。

さっきまでの姿が嘘みたいにテンションもガタ落ちで、そろそろなんだな、って俺は覚悟した。「クリを…すごく弄られた…」「手で?」

「いや、ちん○んで。一応、素股って形だったし」「そうか」

「私は、騎乗位素股中に、すでに結構クリにダメージを受けてて…」「クリにダメージwww」

「笑わないでw 真面目に頑張るとそうなるの。勝手になっちゃうの…」「わかった、もう笑わない」ちょっと励ましたくて俺は笑顔を見せたものの、マドカの笑顔は乾いてた。「あれ?ダメージって?騎乗位素股でイったってこと?」「2、3回イったかも…」

「ちょっと、ノートに『↓』って矢印ないじゃん」「え?ああ、うん…」

ノートには『3↑』って、ただそれだけしか書いてなかったから、矛盾してる。

「その日はハッキリ言ってノートに詳しく書く余裕なんかなかったの」「うん…」

「それにこのノートはあくまでも、お客さんの管理ノートだよ?」「ん?」

「私が勝手にイっちゃった回数なんて管理してどうすんのよ…」「勝手にイったのか…」

「騎乗位素股はクリに当たるの…。だからあんまりしたく…ないの…w」「おいw」

それはお前のさじ加減の問題だろって、突っ込みどころ満載だったけど、まぁいい。「それにさ、クリに当たらないやり方もあってね」「うん…」

「私の秘密兵器は、むしろそっちのやり方なんだ実は…」「へー」「でも、秘密兵器は全然通じなくてw 一応普通のやり方も試しました…」「うん」

「試したんです、一生懸命!」「そしたら、クリにダメージを受けたわけですねwww」

「はいwww つか、もう笑わないって言ったじゃん…」「マドカも笑ってるだろw」

「ヒロシが笑わせたんでしょw 私の気持ちも知らないでさー」「ごめんごめん」マドカが唇を尖らせて、拗ねてみせる。俺はマドカの頭をなでなでして、話の続きを促した。「私はクリ感じやすいから、目を閉じてずっと耐えてた…」「うん」

実際にマドカが目を閉じて、その時の光景を思い出しているような雰囲気だった。それに導かれるように、俺の頭の中にも、再び全裸の男と女が浮かび上がってくる。しかし、その2人はまだシックスナインをしてて、俺は慌てて修正を加えていく。マドカ嬢が男に跨り、必死に腰を前後に揺り動かす。何度か体が反り返った気もした。

やがて疲れ果てたのか、マドカ嬢は男に優しく手を引かれ、横に寝せられた。

そんなマドカ嬢の脚のあいだに、ソイツが入り込んできた。

自分のモノに手を添え、マドカ嬢の局部に充てがう。

それは正常位素股って行為だったのだろうけど、俺にはもう挿入しているようにしか思えなかった。男:「マドカちゃんのオま○こ、すっごい綺麗だね?」「・・・・・。」

男:「全然使い込んでない感じがするけど…どうなの?」「・・・・・。」

男:「うわ、めっちゃ興奮してきた、やっべーコレ」「・・・・・。」相変わらず、ソイツはよく喋ってたらしい。「急にそのヒトが喋らなくなって、腰の動きも止まって」「うん」

「私、目を開けたの。顔も背けてたから、視線はちょうど枕の横だった」「はい」

「枕元に、コンドームの包み紙があって」「え…」

「すでに破ってあって、中身が入ってないやつが…」「うん…」

「私が顔を上げたら、ちょうど付けようとしてるとこで…」「う、うん…」

「ダメです、って私は言ったんだ」「そしたら?」

「え?付けなくてもいいの?って言われた」「は?」

「私はなんか頭が真っ白になったまま、それはダメですってもう1回言ったの」「うん…」

「そしたら、ちん○んが入ってきて、私はもう目を閉じるしかなくなった」「・・・。」

「ごめんね…」「謝らなくて…いいから…」全身から汗がブワワって吹き出した気がした。その瞬間チ○コがどうなってたかは、覚えていない。男:「マドカちゃん入っちゃったよ?」「クッ…」

男:「ゴムはちゃんと付けたから、安心してね」「ンック…」

男:「これでテーブルの上のお金、全部マドカちゃんのものだね…」「・・・・・。」「いきなりお金のこと、言われたの…」「ふーん」

「自分でも気になっちゃって、テーブルの上を確認した」「うん」

「1万円札がいっぱいで、そしたらもうどうでもよくなっちゃった気がする…」挿入後に真っ先にソイツが金のことを切り出したのは、そうなったことを

マドカに割り切らせる為の目くらましだったのだろう。どこまでもヤラしい奴だ。いや、金という交換条件を、全面的にプッシュしてくれたのはむしろ有難い。

男としての魅力でマドカを口説き落としてセクロスまで持ち込んだのさ、

なんてソイツ思い込まれるよりは、全然マシだったかもしれない。「私、ダメな人間なんだなって、そのとき気付いちゃった…」「金?」

「うん。お金のこと考えたら、ちょっとだけ諦めちゃった自分がいたの」「うん…」

「で、急に現実に戻ってきた感じで、痛い!って言っちゃった」「え?」男:「え?ごめんごめん。マドカちゃん痛かった?ごめんね」「すいません…」「そしたらそのヒト、それまで身勝手に腰をうごかしてる感じだったのが」「うん…」

「急に中断してくれてさ」「やめちゃったの?」

「ん?いや、やめたっていうか、入ったままだけど…」「そか…」

「急に優しくなって、いっぱい謝ってた。なんか申し訳なかったなぁ…」「ふーん」痛みを感じるほどガンガン腰振られてたのに、申し訳なかったって…なんか納得いかない気がした。「なんかアソコがすんごくジンジンして、よく考えてみたらさ」「うん」

「私、ヒロシと最後にして以来、1年ぶりくらいのエッチだったんだ」「そうかあ…」

「うん、指とか入れられることはあったけど、やっぱ全然違うくて…」「はい…」男:「マドカちゃんって、マジで他の客とやったことないの?」「ないです」

男:「真面目なんだねぇ。ホント良い子だ。嬉しいな」「良い子じゃないです…」

男:「俺、これだけでもう満足だから、別にイかなくてもいいからさ」「・・・・・。」「私、そう言われて、ちょっとだけ安心しちゃって」「終わり?」

「い、いや、キスされたりとか、お○ぱい触られたりしてた…」「終わるわけねえよな…」挿入したままマドカのお○ぱいを触るのって、俺だけの特権みたいな気がしてたのにな…。「ディープキス?」「うん…」

「マドカのほうからもいっぱい舌絡めたの?」「…はい」

キスのダメージも結構デカいな、って、今頃になって気付いてしまった。

「イかなくていいから、とか言われて、ソレ真に受けてしまってて…」「うん」

「キスくらい頑張んないとダメだって、自分に言い聞かせてた」「で、実際のとこイかなかったの?」

「そ、それが、普通にイクんだけど…」「だよね。マドカ馬鹿だよ。なんかもう俺チ○コ痛いよ」ヤバいことになってた。亀頭が熱い。破裂しそうなほど。怒張、っていうのかコレは。「え?だいじょぶ?」「マドカがチ○コ挿れられた話聞いてこんな興奮してもう自分がヤダ」

「なんだ興奮しすぎて痛いのか…心配して損したw」「損しねーよw 心配しろw」とりあえず、マドカが挿入されてしまっても、チ○コは唸りを上げてるって報告したかったんだ。

それに何の意味があったのかは、俺にもわからないけど、2人ともホッとしてた気がする。 「あのね、ヒロシ」「ん?」

「私デリヘル嬢なんて、そんな商売はしてたけど」「うん」

「最後にエッチしたのがヒロシなんだっていうのが、心の支えになってた部分があるんだよ」

マドカは、恥ずかしそうに、ちょっと照れながら、そんなことを言った。

「彼氏とが最後じゃなかったんだねぇ…」「はい?なに言ってんの、私ヒロシだけだよ」

「え?ちょっと待って、は?なに言ってんの?大学の時…」「自称彼氏でしょ、アレ」

「なぬ?」「まぁ、付き合ってると言えばそうだったのかな、んー、どうだろわかんない」

「ちょっと何、なんなの?」「エッチしたのはヒロシだけだってば、言ってなかったっけ?」ここで新事実発覚で、それこそチ○コもげてしまうかと思った。「ってことはなに、ソイツってマドカにとって二人目?」「そう」

「マジかよ…。俺油断してたよ、なんだよそれ…」「あら、ごめんなさい、ショック倍増?」俺は、マドカにデリで本番もしてたって告白されたとき、

自分を納得させるための理由をアレコレ探したのだけど。

そのひとつが、大学時代にだって他の男ともヤってたんだ、ってことだった。(>>42)

その前提が脆くも崩れ去ってしまい、一瞬気が遠くなりかけた。「私もそれ考えたら、すごくイヤになってきて」「うん…」

「そのヒト、ジッと動かないでいてくれてたんだけど」「はい…」

「なんというか、そのぶん、自分の中にちん○んが入ってるって」「・・・。」

「なんかよりリアルな感触がわかってきて…」「そっか…」

「ヒロシ以外のちん○んヤダ!って急に思っちゃってさ」「ほぉ…終わり?」何かに期待した俺がいたけど、期待がすぐ裏切られることもなんとなく察してた。「お、終わりじゃなくてスイマセン…。なんか頭混乱してて、変なこと言っちゃった」「なに?」

「今まで一人としかしたことないので優しくしてください、って言ってしまった…」「・・・。」男:「え?マジ?マドカちゃん他の客とヤったことないどころか」「はい…」

男:「プライベートでも経験人数ひとり?俺二人目?まじで?」「そうです…」

男:「うっはw ほぼ処女じゃん。優しくするよ、超優しくするってば」「・・・・・。」マドカから聞き出すソイツのセリフが超ウザかった。

思った通りの反応で、まぁたぶんソイツじゃなくても、男なら誰もが大喜びするとこかもしれない。「なんでワザワザそんな余計なことまで…」「わかんない、混乱してた…」

俺の怒りはぶつけるとこがなくて、マドカを追い詰めてもどうしようもないし。

「わ、私は…。昨日も何もしてあげてなかったし…」「うん…」

「その日も、何をやってもダメで…、もう自分に自信なくて…」「うんうん…」

「今止めたとしても、もう遅い気がしてたし…」「・・・。」マドカが何を言いたいのかもよくわかってた。責任感の強い子なんだ、きっと。「要するに本番で満足させてあげたかったってこと?」「は、はい…」

「んで?優しくしてくれたの、ソイツ?」「うん、優しかった」

優しくしてくれた、だなんて言っても、やってることはセクロスだ。

その優しさの中身がどんなものだったのかに俄然興味が湧いてしまう、悲しい性。「そのヒト、すごくゆっくり動いてくれて」「ゆっくり動くってつまり?」

「ゆ、ゆっくりっていうのは、その…あの…」「うん…」

「ちん○んをユックリ出し入れされ…ました…」「マドカって基本素直だよねw」

「そだねw」「俺の前でも、客の前でもって意味だぞ。褒めてないんだからね!」

「すいませんでしたw 今後気をつけますw」「今後って、おいw」男はマドカ嬢と繋がっているその部分をじっくりと見つめ、そして味わう。

チ○コにまとわりつく内側の柔らかな感触を、ねっとりとした膣内のその温もりを。マドカは激しく突かれるような荒々しいセクロスでも勿論ではあるが、

ゆっくりとした挿入を繰り返されることで、その特性を、その真価を、発揮してしまう女だ。

その大きな体とは不釣り合いとも思えるほど、アソコは繊細で、見た目も小さい。

ぶっちゃけ指2本入れるのがちょっと躊躇われるくらい膣口が狭かったりもする。

ソレをメチャクチャにしたい衝動に駆られたときはバックや立ちバックでヤるって決めてたけど、

じっくり味わいたい時は正常位か対面座位で言葉責めしたりしながら楽しむ。マドカはちょっとSっぽいところもあるけど、それは挿入される前までで、

チ○コを挿入した途端に、おとなしくなってしまう場合も有り、そのギャップが凄くエ口い。

俺はチ○コの先端から根元まで、その形状をマドカのま○こに覚えさせるかのように、

ゆっくりゆっくり出し入れするのが好きで、マドカもそうされると体全体で応えてくれる。

特に膣内の反応は抜群で、最初は膣口だけだった締りが、奥の奥まで連鎖的に起こり始め、

出し入れするのがちょっと困難に思えるくらいにギュウギュウになったりするんだ。男:「マドカちゃん締めすぎw ちょっと痛いくらいw」「し、締めてません…」

男:「え?無意識なのコレ?ってことはもっと締められる?」「わかんない…」

男:「ちょっと試しにやっ…お、おお、おおすごい…」「わ、わたし、何もしてません…」「なんにもしてないのに締まる締まるって言われた…」「何ソレ自慢?w」

「違うよ、そのヒトに言われたことそのままヒロシに教えてるだけだもん…」「ムカつく」やはりマドカの体は正直で、相手が俺じゃないとしても、きっちり反応したらしい。

いわばそれは応募者全員プレゼントみたいなもので、金を払えばそれがたとえ見知らぬ

不法侵入者だとしても、マドカは追い払いもせずに、優しく時に強く包み込んであげたってことだ。

掲示板で締まりが良いと話題になるほどに。あの掲示板に書き込んでいたのは、マドカのアソコで気持ちよく射精した奴らだったんだなって、

よりリアルな事実として俺の頭に刻み込まれた。

信じられないことだが、そんなマドカに、俺はすごく優しさのようなものを感じてしまった…。「本番し始めた当初は、ホントにただ寝てればいいやってズルく思ってたの」「うん」

「でも、別料金でもらってた額がね、なんか私の場合、多いんじゃないかって」「うん…」

「そう思い始めた頃があって。まぁ私が高めに設定したんですが…」「はいw」

「それに見合う価値や満足感を与えられてるのかって、考えた結果」「ギュ~?」

「うんw ギュ~してました…。早くイってしまえってそういう意味も込めてw」「そっかw」割とあっさりとした返事だったので、それほど悩まなくて済んだ。男:「マドカちゃんすっごいw どんどん締まりよくなるwww」「…ンッ…」

男:「俺さっき、イかなくてもいいからなんて言ったけど…」「アッ…アッ…」

男:「これ我慢できそうにない。ちょっと早く動いてもいい?」「はい…」

男:「痛かったら、ちゃんと教えてね。遠慮しなくっていいから」「・・・・・。」「痛いのは、ずっと痛かったんだけど…」「うん」

「早く終わって欲しいって気持ちもあって…」「そか」

「それ以上に、ちゃんと満足して帰ってもらいたい、って気持ちが強くて」「はい…」

「ズンズンって、そのヒトがし始めても、痛いとはもう言わなかった」「ズンズン?」

「ズンズンはズンズンだもん。他に言い方知らないもん」「パンパン?」

「そだね…。そういう音はしてたと思うよ。ペチペチ?」「可愛く言ってもダメw」男:「うわw すげっw お○ぱいブルンブルンだ」「あんまり見ないで…」

男:「いやいや、そう言われたらますます見るでしょwww」「やだ…アンッ…」「私、エッチするの久しぶりすぎで…」「うん…」

「電気消して欲しいとか、そういうこと言うのすら忘れちゃってて」「だね…」

「すごーく明るいとこで、そんなことになってしまい」「はい…」

「しかもベッドのすぐそばに鏡があって…映ってた…」「(;゚д゚)ゴクリ…」「なんか知らない人に自分がヤられてて、思わず目を逸らしたんだけど」「うん」

「そのあとも時々、チラチラ鏡を見てしまってた…」「なんで?」

「私はこれでお金稼いでるんだなぁ、情けないなぁ…って」「うん…」

「そんなふうに冷静になってる自分と…」「はい…」

「あと、ちょっとだけ興奮してた…w」「ちょw 興奮しちゃったよこのヒトw」

「だって、自分のそんな姿見るの初めててで、ドッキドキしちゃったw」「そかw」男:「マドカちゃん、俺ラストスパートw いいよね?」「は、はい…」

男:「お○ぱい寄せて、もっとプルプルさせて…」「…やです」

男:「手、つないで。そう。おおいいね、お○ぱい凄い」「ハンッ…ンッ…ンンッ!」俺の頭の中では、天井付近からの映像で捉え始め、腕をクロスに固定されたマドカが、

ソイツに腰を打ち付けられるたびに、お○ぱいをプルップルに揺らしてた。男:「マドカちゃん可愛い声出すんだね…」「…ンアッ…ハァン…」

男:「キスは?んんん…舌もっと絡めて、そう。うん、素直だし可愛いね」「ンッ…ンッ…」

男:「いいねマジで。今までで一番のアタリくじ引いちゃったかも」「…アッ」「自分では声出してるなんて思ってなかったんだけど…」「うん」

「出ちゃってたみたい…です…」「まぁそれはしかたない。それにさ」

「うん」「出さなきゃ出さないで、マドカに喘ぎ声出させようって躍起に…」

「それはなんとなくわかる」「うん、男ってそんなもんだし、たぶん俺もだ…」他の男にチ○コを出し入れされ喘いでしまうマドカを想像するのは、もはや苦痛じゃなかった。

それだけじゃない。マドカとセクロスしてるソイツがその時何を考えていたとしても、

それは男なら当然考えることだと、妙に納得というか、自分が受け入れている事にも気付いた。

ソイツが言った、今までで一番のアタリくじ、なんて言葉も、本来ならば俺をイラッと

させそうな表現だったのに、そのときは「あったりめーだろ」くらいにしか感じなかった。「そのヒトはエッチし始めてからも」「そのエッチってのは、挿入って意味?」

「うん。あ、ごめん本番って言ったほうがいいかな…」「いや大丈夫マドカに任せる」

俺はあんまり気にならなくなってたけど、それからのマドカは本番って言葉とエッチ

って言葉が半々って感じで、ゴチャ混ぜになってた。あんま考えてる余裕がなかったのかも。「ずっと私を褒めてくれる感じで、優しかったのだけど」「うん…」

「ただひとつだけ、ちょっとヤダって思ったのがあって…」「ん?」男:「マドカちゃんすごいよ…。ド迫力!ド迫力!」「・・・・・・。」「ド迫力って言葉はどうも…褒められてる気はしなくてw」「そりゃまぁそうだなw」

「でも何回も何回も言われたから、すごーく印象に残ってる…」「そか…」ま、実際のとこ、本当にド迫力なんです。それに関して俺は否定も肯定もしなかった。

そして、後に、この「ド迫力」って言葉に、俺は人生の大きな選択を迫られることになる…。 「そのヒトがラストスパートって言ってからは」「うん」

「たぶん、メチャはやかったと思うんだけど」「それはどっちの意味?」

「え?どういうこと?」「イクまで早かったのか、その…腰の動きが速かったのか…?」

「ど、ど、どっちの意味でも…です…」「そ、そうですか…」マドカが顔を赤らめるのを見て、俺はすごくドキドキした。

フ○ラやク○ニ、パイズリやシックスナイン、そしてキスだったりディープキスだったり。

今日ここまで、俺以外の男達としてきた行為の数々を、マドカの口から色々聞いてきた。

時々、ちょっとドライすぎるんじゃないかって俺に思わせるほど、淡々とそれらを語ってた。そんなマドカが、ソイツに挿入されてからは、モジモジしたり、恥ずかしそうにしたり…。

まるで初恋相手との初体験の思い出を語っているかのような、そんな印象を俺に抱かせる。「なんか物凄いエ口い格好でヤられてるマドカを想像しちゃったんですが?」

何食わぬ顔でそう言ってやったら、本物のマドカの顔もボっ!って瞬時に真っ赤になってた。

その反応を十分楽しんだあとに、俺もマドカを安心させてやろうと思った。

「体位とか。まぁ他のお客さんも含めて、色々しちゃったかもしれないけど?」「はい…」

「立ちバック以外なら、俺はそんなに嫉妬しないけど?どうなの?」「それはヒロシとだけです…」

マドカは泣きそうな顔になりながら、そう答えた。マドカを安心させるつもりが逆に追い詰めたか。結局のところ、マドカのその言葉が嘘でも本当でも、許すしかない。

まぁ、確率的にも、マドカと立ちバックが可能だった客が多かったとは思えない。

仮に、身長的に立ちバックが可能な客に呼ばれたとしたら、ノートに『客の特徴』として、

間違いなく記載、管理されているはずだろう。問い質すのは、そんなページを発見してからでも遅くない。「んで?俺に怒られそうなことって?」「あ、あのね…」

泣きそうになってたマドカが、正座に座り直して、更にその体を小さく萎縮させた。

「お○ぱいに出したいって言われて、OKしちゃって」「うん…」

「でも自分でも、この状態で?って疑問に感じるとこはあって」「ゴムしてるし?」

「うん。一体どうなるんだろって不思議だった…」「だろうね」

「でもそんなに深く考えなかったし、アレコレ考える余裕もなかったの」「ズンズンされてたから?」

「う、うん…」当時のマドカは、発射直前にゴムを外すなんて行為を想像すらしてなかったのだそうだ。

後日ネットで無修正AVをマドカと一緒に見る機会があり、男優さんの早業を見て、感心してたけど。だけど、俺としても不思議は不思議だった。

ソイツのことは嫌いだけど、AV男優の真似事なんかしないタイプの人間だと、そう評価してた。

今思えば、俺と似てるだなんて言われ、ソイツを買い被りすぎていたかもしれない。「なんかエッチって、こんなに獣じみた行為だったかなって」「・・・。」

「そんなことが頭に浮かんだりした…」「ラストスパートのとき?」

「うん。で、そのヒト、ちん○ん抜いて、コンドーム外したのね」「うん」

「そこまでは目で見て確認したの。ああそういうことかって」「ほぉ…」

「なんか大慌てだった。私も、ああ終わりなんだなって思って…」「はい…」

「気持ちよくなってもらえて良かったぁって安心しちゃった気もする…」「うん…」男:「ハァハァ…マドカちゃん、いい?」「…ンッ…ウンッ…!」「で、顔に飛んでくるのはイヤだったから、顔は背けて目を瞑って身構えた」「うん」

「でもアレ?って感じがして…」「ん?」

「飛んでくると思ってたタイミングで、飛んでこなくて…」「う、うん…」男:「マドカちゃん…最後ちょっとだけっ!!!」「・・・・・。」「そのヒトが、そんなことを言ったと思ったら…」「はい?」

「またちん○ん入れられてて…」「・・・。」

「や、やっぱり…お、おかしいよ…ね?」「マドカ…」

「ご、ご、ごめんなさい。油断しすぎだよね私。ホント馬鹿だったと思う」「はぁ…」無防備すぎるマドカ嬢。その隙を突いたソイツ。不思議と、すぐには、怒りは芽生えなかった…。「でも、当時は本当にわかんないことだらけで」「なにが?」

「も、もしかして、こういう終わり方するエッチもあるのかって…」「ちょ…」

「私が知らないだけで、みんなこうしてるのか?なんて一瞬思ってしまった…」「抵抗しなかったのか…」

「これは変だって、そう思った時には、もう…」「もう…?」

「そのヒトはちん○ん抜いてた。ほんとに一瞬だったんだ…」「そか…」すぐには芽生えなかった怒りの代わりに、ただひたすら残念だって感情に支配されてた。俺の頭の中では無防備すぎるほど無防備なマドカ嬢が目を瞑ってグッタリしてた。

それを見て思いついたのか、元々そんなタイミングを虎視眈々と狙っていたのか、

男が素早い動作でもう一度マドカの脚の間に入り込み、それと同等の素早さでその場を去った。男:「あ、ぎも゛っぢぃいい。あ、いぐ」「!?」間の抜けた、アホっぽいフィニッシュの声が聞こえた気がした。「ほ、ほんとに、一瞬だった!5秒!」「…5秒って結構長いし…」

「・・・。」「フィニッシュ直前の5秒なら、俺20回以上腰振れるわ…」

「ふぃ、ふぃゆにっしゅは、そのヒト、自分で手でシコシコしてた!」「フィニッシュって言えてねーし」

「・・・・・。」「それに最後手コキって当たり前だろ、なんの言い訳にもならねーんだよ」

「ごめんなさい…」「5秒っつーのも、たったそれだけで気持ちよくなっちゃうほどに」

「・・・。」「オマエが生ま○こでギュウギュウに締め付けたってことだろ!このバカ!」 遅れ馳せながら、やっぱり怒りの感情は芽生え、生々しい暴言を俺はマドカに向かって吐いてた。本来であればもうマドカのお○ぱいに射精するはずのタイミングだ。

俺としては不本意であるが、マドカとはそういう約束だったはずだ。もう精液が飛び出す寸前で、ゴムの中で我慢汁にまみれてたであろうチ○コ。

たった一瞬だったとしても、そんなチ○コでマドカの生の感触を味わった

ソイツは死刑に値すると思った。ましてマドカの許可を得たわけじゃなかったし。もしマドカが許可したなんてことなら、それはそれでどんな感情を俺に喚起するのか…。

それはわからないけど、とりあえず、この時は怒りの感情が先に来てた。マドカはまるで抜け殻みたいになってた。そんな彼女に掛ける言葉は見当たらなかった。それでも俺は前に進んだ。後ろを振り返ってもそこには何もない。「で、そのあとは?」「そのあとって?」

俺は生で挿入されたって事実を、頭の中から追い出すように、続きを促した。

「抜いたあと」「うん。自分で手でシコシコしてた…」

すっかり元気をなくしたマドカ、それでも彼女もまた最後の力を振り絞る。「お○ぱいにかけられて。黙ってそれを見てた」「うん」

忘れたいはずの事実がまた頭に蘇る。生で挿入されたことへの抗議はなかったのか?

「マドカ、最後に生でされたこと何も言わなかったの?」「う、うん…」

「そっか…」「ホントに一瞬だったし、そのヒトも何も言わなかったから…」そのことに関しては、二人のあいだでは何もなかったかのようにスルーだったらしい。

そして、俺とマドカのあいだでも、それっきりその話題は出たことがない。男:「いっぱい出ちゃった。うっわ精液まみれのお○ぱいもド迫力…」「・・・・・。」「それで、最後はお○ぱい拭いてもらって」「うん…」

「拭いてもらってるあいだ…私は…フ○ラ…してた…」「・・・。」

「してって言われて、なんかそれも…当たり前なのかな…って思っちゃって…」「そうですか…」

「また怒られるかもだけど、ほんのちょっとだけです…」「もうなんか頭狂いそうです…」知らず知らずのうちに、拳を握り締めてた。

ソイツを殴ってやりたい気もしたけど、マドカを殴りたいような気もした。

でも自分自身を殴りつけてやりたい気持ちが一番強かった。なんでこんなに精神的ダメージを受けてるのに、

チ○コはビンビンなんだろうって、自己嫌悪の気持ちでいっぱいだった。「終わり。あとはもう、私は放心状態で起きれない感じだった」「うん」

「体中が痺れてる感じで、ホントにボ~っとしてたら」「うん」男:「マドカちゃん、疲れたでしょ。俺タバコ吸ってるから」「あ…」

男:「大丈夫だから、寝てなよ。ホント、ありがと」「・・・・・。」「布団掛けてもらって、私はなんかちょっと泣きたくなってしまい」「うん…」

「接客中なのに、こんな態度は有り得ないと思いながらも」「うん」

「布団から出れずにいて。そしたら、10分もしないうちにね」「うん」男:「俺、今日中に地元帰りたいからさ、もう行くね」「え?」

男:「いいのいいの、そのままそのまま。マジで大丈夫だから」「でも…」「そのヒト、もう着替えも済んでて、帰り支度も整ってて」「へー」

「前の晩と同じように、たぶん終了20分くらい前に帰っちゃったんだ」「そうなんだ」「私、呆気にとられる感じで、ベッドの上で見送ってしまった…」「すげぇな」

「なにが?」「プロの犯行って感じだな…w」

ようやく、軽口を叩ける余裕が、俺に戻ってきた。

お掃除フ○ラもしたって話を聞いた時には、余裕で死ねるって思ってた程なのに。

お前を殺して俺も死ぬ!くらいの気持ちが、確かにあったと思う。「テーブルの上のお金が消えてた、とかそんなオチはないの?」「ちょ、ちょっと!」

「こ、怖いこと言わないでよ!ちゃんとお金あったよ!」「そかwww」

「むしろ5千円増えてたよ!」「怖っ!そっちのほうがコエーだろwww」

「たぶんお釣り返すの忘れたかも」「まぁチップだろ、チップ」結局何だったんだろうソイツは。俺と似てるだなんて評され、俺もちょっと

ソイツを理解しかけたつもりになったところもあったけど、結局わからないままだ。気が付くと、すっか日も落ちて、辺りは闇夜に包まれてた。「怖いと言えば、お客さんに先に帰られちゃったりすると」「うん…」

「ラブホに一人取り残されて、めっちゃ怖かった…」「だよな…あの空間は…」

「その日は、一人でシャワーも浴びたし、本当に怖くて震えてた…」「そっか…」怖かったのは、ラブホに一人きり、ってただそれだけの理由じゃなかったんだろうと思う。

自分がしてしまったこと、もう後戻りできない現実に、マドカはきっと震えたのだ。「それにしてもマドカさん」「は、はい」

「よくもまぁバカ正直に、素直に話してくれましたね…」「すいません…」

「やっぱ知らないほうが幸せなことってあるな…w」「・・・・・。」

「言い辛いことは、ちょっとくらい隠してもよかったのに…」「でも…」

「正直なのは良いことだけど、優しい嘘ってのも、世の中には必要かもな…」「・・・・・。」

「根掘り葉掘り質問しまくった俺が言うのもなんだけどwww」「そだねwww」マドカがじっと俺のことを見つめて、俺はその瞳がちょっとだけ怖かった。「んで、送迎さんに電話して、迎えに来てもらって」「うん」

「仮病使って、残りの予約客ドタキャンして、帰りました」「で、次の日から休んだと?」

「うん。色々考えさせられることもあったし」「うん」

「考えた結果、私がどういう結論を出したのかは、ノートに全部書いてある」「はい」

「続きを見るか見ないかは、ヒロシに任せる…」「うん…」そこでマドカは、次の言葉を吐き出すまでに、すごく時間を要した。「私のこと、嫌いにならないで…」「お、初めて言えたな、そのセリフw」

「だって素直な気持ち言ってもいいって、ヒロシが言ったんだもん」「うんw」ちょっと考え込んでるフリして、すごく時間をかけ、俺もマドカに言葉を返すんだ…。■おすすめ!

寝取られの屈辱と興奮をもっと味わいたい方は 人妻動画 でどうぞ。


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